2012年2月27日月曜日

閻金 貴族パロ  予告風味?



※自己満足俺得設定

※たぶん続かない







金蝉子…貴族。閻魔の婚約者。


閻魔(悟空)…貴族。王族の血を引く。
大聖…貴族。金蝉の幼なじみ。
二郎真君(楊漸)…貴族。大聖と金蝉の幼なじみ。


真君と大聖にエスコートされてた金蝉子をパーティーで見かけて、気になってた閻魔が金蝉子に見合いを申し込む→閻魔の地位や財産、家柄等が最上級で金蝉子親がノる気に→卒業までは秘密に婚約→ある日学校に閻魔が来て大聖にばれる→その頃には何気上手くいってて、大聖がそれをみて妬けばいい→真君に慰めてもらうか、一緒に酒飲んで絡めばいい→大聖VS閻魔が見たい→金蝉子が間でキョトンとしているイラストは何処にありますか

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「…閻魔。またですか…。いい加減にしてください…。」

「貰い物だ。私が使わないのだからお前にやるのが道理だろう。」

「…何処の世界に限定品のピアスをくれる方がいらっしゃるのですかっ。」

「調べたのか。」


本人は本気で限定品と知らなかったのか、
あるいは金蝉子が興味の無い宝石やアクセサリーについて
自ら調べたことが意外だったのか、心底驚いた顔をしている。


「…とにかく!私は別にこういったものに興味はありませんし、いりませんので、わざわざ…。」

「そうか。」


閻魔は難しい顔をして考え込む。
金蝉子の言葉をちゃんと聞いているのか怪しいぐらいだ。


「…閻魔?聞いていますか?」

「…では、お前は何が欲しいのだ?」


…ダメだ聞いていない。

ため息をついた金蝉子をじっと見つめる閻魔には、瞳になんの陰りはない。
純粋に金蝉子の希望を叶えてくれようとしているのだろうが、生憎金蝉子は物欲は少ない方だ。

あの時は珍しいことだったのだ。
たまたま目に入った琥珀のペンダントに目を奪われて物欲しげにしたのが悪かった。
閻魔はただ見るだけで買わなかった金蝉子を哀れに思ったのか否か、
その夜には部屋がいっぱいになるほどの琥珀のアクセサリーが届いた。

――もちろん、その中にはあのペンダントもあり、それだけは大事に今も首にかかっている。
その時は婚約祝いだ、と言って贈ってきたが、
流石に多過ぎる!と説教した所、しばらくは大人しかった。
しかし、そのうちまたお土産だ、貰い物だ、何だかんだと
宝石やアクセサリー、ドレスやバック、帽子に…様々な高級品が贈られるようになった。

何度もそれとなく断りを入れているのだが、さらりと交わされ、結局うやむやにしてしまう。
悔しいと思いつつ、はっきりと言えないのは、やはり少し嬉しいからかもしれない。
しかし、そんな頻繁に大した理由もなくもらっていては
保管にも困るし、何より申し訳なくなる。

また閻魔本人は楽しそうだが、無駄遣いはどうかと思う。
(閻魔は無駄遣いとは思っていないが)

今では大して興味なかった宝石やブランドメーカーの名前まで言えてしまうのだから、
人生何が起こるかわからない。

今日こそはっ!と意気込んで主張してみたが、やはりだめなようだ。

金蝉子は深いため息をついた。

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「…金蝉。戻ったか。」
「…戻ってきてしまいました。…何かある度に貴方に頼ってしまうのは、悪い癖ですね。」
「よい。…歓迎するぞ。…お前が顔を見せるのは久方ぶりだな。ゆっくりして行け。」
「ありがとうございます。」

「…金蝉、傍へ。」
「はい。」
「…寝ていないだろう。」
「…そうでもないですよ。」


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「…姉様?帰ってきていたんですか?」

「玄奘。お帰りなさい。」

「あ、すみません、はい。…ただいま帰りました。…姉様も、お帰りなさい。」

「…はい。ただいま。」

「どうなさったんですか?…すごい荷物ですが…今日は何かありましたっけ…?」

「玄奘。…しばらく私は里帰りすることにしました。」

「え?本当ですか?嬉しいです!」

「…玄奘ならそう言ってくれると思っていました。ありがとう。」

「いえ、そんな、お礼なんて。…きっと如来様も喜ばれます。」

「…はい、先程温かい言葉を頂きました。」

「ふふふ。…では、今日はご馳走にしましょう!」

「…ええ。」

食事を二人仲良くつくり、

「今日は久しぶりに姉様とご一緒できて本当に嬉しいです。」

と、にこにこと食事をしていた姉妹だったが、
電話を告げる音楽が鳴り響き、玄奘は腰を上げる。
幸いにして、姉が身をすくませていたことには気づいた様子はなかったが。

電話は幼馴染からのものだった。

「…あ〜玄奘。そっちに金蝉子いるか。」

「え?はい、いますが…。てっ…、姉様っ…え?!…っ。」

「…切れた。…ま、良かったな閻魔。金蝉子は実家いるってよ。」

「…。」

「意地張ってねぇで迎にいけよ。んなどす黒いオーラ発してんな。迷惑だ。つか、自分のマンション帰れ。」

「…。」

「…おい。」


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「…大聖?どうしたんですか?」

「…いや、変わんねぇなって思ってよ。」

「?」

「…ほら、なんか金蝉子って普段秘密主義的な所あるだろ?」

「…そうですか?そういうつもりはあまりないのですけど。」

「…まあ、別にそれはそれでいいんだけどよ。なんつ—か、もっと腹割って話してみたくなってよ。…酔ったら本音が聞けねぇかなって思ったんだが…。噂通り、強いな金蝉子。」

「そんな。嗜む程度ですよ。」

「…3日3晩飲み勝負して勝ったって言う噂を聞いたんだが…。」

「いえ?…噂は所詮噂ですから。」

「…あ—。まあ、そう、だな。」

「…でも。なんだか嬉しいです。」

「…何がだ?」

「いえ。…自惚れだったら恥ずかしいですが…。…貴方が、私に心を開いてくれているようで。」

「…金蝉子。」

「まあ、貴方は元々裏表のない方だとは思ってましたが…。」


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以下はコレの設定?


「…え?」

いつの間にか体が倒されている。
そして目に映るのは天井と八戒の酔った笑顔だ。

しまった。これは油断しすぎた。
と今更気づいた所で後の祭。

触れる手は優しいのに、購えぬ力で両手を拘束された。

これはまずい。

「…あの、八戒、ふざけるのは止めてください。今ならなかったことにして忘れますから。」

「…なんだよ、姫さん忘れるのかよ?…俺は本気なのに。…つか、なんでそんな冷静なわけ?…俺に、何も感じないとか?」

「…あの、八戒。私は貴方の姫さんではないのですよ?私は金蝉子です。わかりますか?」

「…嫌だ…。俺の、俺だけの姫さんになってよ…。」

唇が首筋に向かう。悲しい顔をしている彼の様子が気になって、こんな状況だと言うのに心配になってしまった。

…あの子は、そんなに八戒に冷たくしているのでしょうか…。

アルコールに負けて、溢れるような想いに。

自分の育て方がまずかったかな、と思わないでもないが、
とりあえずこの状況をなんとかしなければ。

「…八戒!これ以上…!」
「………………おい、そこの下睫毛ナンパ野郎。…覚悟は、できているな…?」
「は?」

そして。そこからはもう一瞬だった。



のしかかってきていた体を力ずくで退かすと人を殴った音が響く。一発所の音ではない。

「…閻魔?」

なんというか、彼が人を殴るのを初めて見た。
いつも冷静で落ち着いている彼は、揉め事や喧嘩には無関心を貫くか、
激しやすい者達を口で窘め抑える立場だったというのに。

「あの、さすがに死んでしまいます…。止めてください。…私は、大丈夫ですから。」
「…。」

金蝉の声にぴくりと肩が動き、閻魔が振り返る。

「…金蝉、大丈夫か?…何を、された?」
「…閻魔?」
「…跡を、つけられたか…。」

一瞬で気づくのは流石の洞察力だ。

「え?…あぁ、これは…。」
「…心当たりがあるようだな。」
「…あの、…怒ってます…?」

殴り足らなそうな、不穏な閻魔の様子に慣れていない金蝉は
戸惑いというより驚きを感じていた。しかし閻魔はそれを恐怖と捉えたらしい。
金蝉の機微には察しが良い閻魔が珍しい。やはりいつも通りではないのか。

「…あぁ。…すまない。…少々、我を忘れていたようだ。…怖がらせたか。」
「いえ、そんなことは。それに、謝るならば八戒に…。」
「…アヤツは転がしておけ。」
「…あの、八戒は玄奘と私を間違えただけで…。」
「…どうだかな。」
「…閻魔?」
「…いや。…お前は、もう少し危機感を持て。俺が来なかったらどうしていた。」
「…まあ、強制終了させましたけど。」


酔っている相手だ。隙を見て一発二発殴るなり蹴るなりするぐらいならば、
長年の経験から色々学んだ金蝉は可能だ。
容赦ない性格も幸いして手加減なしで同情も哀れみも何も感じずにできる自信がある。

「…はぁ…。…相変わらず、甘いな。」
「甘いのは玄奘です。私は結構あくどいですよ?」
「…そういうことにしておいておくか。…さて。」

お仕置きといこうか、と耳元で囁かれたのを合図に横抱きに彼の家へと運ばれた。



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「…お前、相当馬鹿可愛がりされて甘やかされて育っただろ。」

「は?…いえ、確かに姉様も釈迦如来様も私を大切に育ててくださいましたが、私はどちらかと言うと姉様のおまけと言いますか…。」

育った環境というかなんというか、教育の違いだ。
例えるなら、金蝉子が苦手も得意になるような教育を受けたというならば、
玄奘は得意をさらに伸ばす教育をされた、という違いか。
どちらがいいかはともかく、なんというか極端な姉妹だ。
玄奘の言葉を半分聞き流しつつ、悟空はため息をついた。
金蝉子より扱いづらい。
金蝉子は聡明だ。尊敬に値する頭の良さだ。
それに話のわかる奴だし、基本的には悟空の行動にあれこれ言わない。
閻魔という圧力さえなければ金蝉子の隣は心地好い。

しかしその妹は、どうやらかなり面倒くさい。
お節介だし口うるさいわりに抜けてるし鈍い。無自覚天然培養だ。
金蝉子がシスコンなのは知っていたが、妹を過保護に育て過ぎたのではないかと思う。

…おい、金蝉子…。まじか。

こんな奴の面倒を見るのなんて1日でもつらい。
放置したい所だが、金蝉子の頼みを断ることは閻魔の命令を拒否することと同義だ。
そうなるとどうなるかは経験でわかっている悟空である。
彼に残された道は一つ。
最高に面倒くさいことを避ける為に多少の面倒を請け負うだけだ。


◆◆◆


一緒に過ごしてわかったことがある。

…こいつもかなりのシスコンだな…。

出来の良い姉と比べられて育てば捻くれそうなものだが、
そこはさすが金蝉子の育てた妹と言った所か、玄奘は素直に姉を尊敬し憧れ慕っているらしい。

姉様はおモテになるのですけど、それでも無自覚に人の心配ばかりしていつも心を痛めて…。
うんたらかんたら。
姉がいかに素晴らしく、いかに自分が心配しているか…などなど。
玄奘からの話は全て姉絡みだ。
それしか共通の話題がなく、これ幸いと愚痴っているようだ。

「…まあ、そこらへんは閻魔に任せろよ。」

「…確かにあの方は姉様のことを大変よく見てらっしゃいますし、大事にしている様子も伝わっておりますが、あの方も殿方です。」

「…まあ、正真正銘男だな。」

「そうです。…姉様が傷つかないという保証はどこにもありません!」

どちらが姉かわからない発言をしつつ、こぶしを握り締めて語る玄奘を横目に
悟空は今日一番のため息をついた。


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SYK楽しいです。



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