2011年10月5日水曜日

カタクリ。




※八晴


※捏造あり


カタクリ 
~花言葉~
初恋・嫉妬








「え?けんちゃん結婚するの?!」

「そうみたいねぇ。晴香、悔しい?」

「べ、別に今更だし…。それに今は…。」

「あら。結婚先越されて悔しい?って意味だったんだけど、今は、何?」

「…〜!な、なんでもない!」

『今は八雲君が好きな人だもん。』

そう続いただろう晴香の言葉を正確に理解しているだろう恵子は、
ニヤニヤしながら晴香を見る。

罠にはまってしまった晴香はそんな自分に落ち込みながら、
恵子を悔しそうにを睨んだ。


親子喧嘩をしている二人の横では八雲が無言で運転している。
ちなみに後部席が晴香で、助手席には何故か恵子が座っている。
最初、八雲が運転を申し出た時に晴香のほうがいい?
とニヤケながら言われ、八雲が間髪入れずに否、と答えたからなのだが、
どうせなら親子二人で後ろに座ればいいものを。
わざわざ前と後で会話をしている光景に首を傾げたくなる。
八雲は滅多に自分からしゃべりかけないし、
ここは親子同士仲良く後に収まるべきだと思うのだが。

そんなことを運転に集中しているフリをしつつ考える。

『けんちゃん。』

八雲は知らない。晴香の過去。
お互い知らないことがあるのは当然なのに、
なんだかおいていかれた気になった。

—馬鹿馬鹿しい。
どうかしている。何をそんな子供みたいな。

八雲の眉間の皺に気づいたのか、
それとも反応を見たかったのか、恵子が八雲を伺うように尋ねた。

「…気になる?八雲君?」

「…いえ。別に。」

からかわれるのはいつものことなので、
少しでもからかわれる材料を少なくする為に言葉少なに答える。

「あら。残念。八雲君の妬く姿が見られるかと思ったのに」

言葉とは裏腹に恵子の口調は楽しげだ。

まったく意地の悪い人だ、と思いつつ、
無言の晴香の様子をミラー越しに伺うと、
苦笑しているような、さびしげな笑みを浮かべていた。

「八雲君が妬くわけないでしょ。・・・私だって見たことないもん」

それは僕が絶対見せたくないからだ、と心の中で反論しつつも、
八雲は何もいわない。
男のプライドというか、大人気ない意地だ。

石井さんとか、大学の同じ学部の奴、サークルの仲間、バイト先の先輩・・・。
実はいつも妬きっぱなしなんて、絶対口が裂けても言いたくない。

だいたい、晴香は無防備で無自覚なのだ。
こっちがいくら気を張っていても、
本人が鈍いのだから八雲の苦労は倍増する。

だんだん腹が立ってきた八雲は、この話は終わりだ、
とでも言うようにいきなり話題を変えた。

「・・・そういえば、・・・」

はじめて八雲から出した話題に、
逃げたか、と恵子はにやけ顔で、晴香は気づきもしてない様子で乗っかる。

結局3人でとりとめのない話題でもりあがりつつ、
恵子を目的地まで送った。
なにやら友人と会うらしく、帰りは送ってもらう、とのことなので
ここで別れる。

「八雲君」

「はい?」

「晴香をよろしくね。あの子、鈍いからいろいろ大変だと思うけど、まあ、頑張って」

ウィンクと共にかけられた言葉に、
晴香は父親似らしい、と改めて感じつつも、
とりあえずうなづく。

小声だったので晴香には聴こえなかったのか、
こちらを伺うような素振りが見えるが、
晴香には気づかれないように八雲は言った。

「・・・はい。他の男に譲りたくありませんから」

八雲の言葉に面食らった恵子を初めてみた八雲は内心驚きつつも、
何事もなかったかのように車を発進させた。



「ね、お母さんと何しゃべってたの?」

「・・・君の面倒を見るのは大変だ、という話だ」

恵子を送った後、一人で後ろは寂しいからとかなんとか言って
結局助手席に座った晴香は、八雲に問いかけた。

ちなみに、晴香はちょうど昼時でお腹がすいたのか、
持参したポッキーをたべていたりする。
甘党の八雲がそれを見逃すはずがなく、横目で見るが、
晴香はそれに気づかないようだった。

ちょうど信号が赤になる。

先ほどの話が頭の中でぐるぐると巡っていた八雲は、
少しの悪戯心と隠れた嫉妬で晴香にちょっかいをかけた。

つまり、晴香がこちらを向くように呼びかけ、
手を拘束すると、くわえていたポッキーを反対側から食べた。

唇同士が重なった瞬間に離し、
真っ赤な顔をした晴香を無視して運転に戻る。

ちょうどまた青になった信号に、内心ほっとしながら車を走らせた。



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何が書きたかったのか途中でわからなくなりました。

時期とかここにいたるまでの背景とか考えたら嫌です←


みなさん、安全運転を心がけてくださいね!

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