2011年9月12日月曜日

Let`s go…? 




※天命(真志)


※捏造設定(志乃の足が治ってます)


※志乃の真田の呼び方が1巻設定(さん付け)ですが、
時期的には1巻終了以降設定。


以上のことが許せる方のみ、どうぞ。







車椅子の生活から離れ、約8ヶ月。
まだまだ思うように足は動いてくれないが、
やっと自分の足で歩けるようになったし、
杖をつけば余裕でどこまでも行ける。
もっとも、真田には危なっかしいと言われてしまうが。

しかし、まさかこんな苦労をするようになるとは思いもしなかった。

「ねえ、君どこの大学?」
「かわいいね。これからどっかよってかない?奢るし」
「アド交換しようよ」
「一人?暇なら一緒に遊ばね?」

調子がいい男ばかりだ。
もし志乃が車椅子のままだったら、
彼らの視界には入ってなどいなかっただろうに。

一人の時はまだいい。しかし、仕事中などは本当に困る。
自分が普通に振舞えている証拠なのだろうが、
尾行中にターゲットに気づかれる可能性もあるし、
ターゲットを逃してしまう場合もあった。

「ねえ彼女、これから俺とお茶しない?」

またきた。

「私、男です」

公香から教わったセリフを言い捨て、
頑張って早足で逃げようとした時だった。

突如男が噴出し、笑い声が響いた。

普通の男の場合、ポカーンと呆けるので
その間に逃げることが出来るのだが、
今までとは違う反応で志乃は焦った。

これは公香に教わったセリフパート2か。

「し、志乃…。俺だよ俺」

まだ笑いがおさまってなさそうな震えた声。
よく聞くと覚えのある声である。

その声は…。

「さ、真田さん?!」

「正解」

「な、なんで普通に声かけてくれないんですか?!」

「なんか遊び心で」

「…」

「いやーそれにしても焦った。まさか志乃があんなこと言うとはな」

「…ナンパされたらこう言えばいいって公香さんに教えていただいたんです」

「ははは!なるほど。志乃の真面目そうな顔でそう言われると、もうどうしようもないわな」

「…」

「そんなに怒るなよ」

「…べ、別に怒ってません!」

「じゃ、こっち見て志乃」

「…なんですか」

「ほら、怒ってる」


わずかに眉間に寄った皺を指でなぞりながら、真田は笑った。

「…」

なんだか子供扱いされているようで気に食わない。

ますます寄っていく眉間の皺には気づかず、
真田は笑みを深めた。

「でも、公香もよくやるよな~。志乃にそんなこと教えるなんて」

…公香もホントに志乃が言うとは想像しなかったんだろうけどな、
と真田が内心苦笑していることには気づかず、志乃は真面目に返した。

「…仕事で失敗しちゃって落ち込んでたら教えてくださったんです」

「あ~。あん時か。ま、結局上手く行ったんだからいいじゃねぇか」

「…でも、迷惑に、」

「志~乃。そういうことは考えんなって言ったろ?お互い様なんだからよ」

眉間をなぞっていた指で、軽くデコピンした真田は
微笑みながら、しかし真剣な目をして言った。

「…はい」

なんだか身内扱いされた気がして
いとも簡単に機嫌が直った志乃は、
おでこを抑えつつ笑みを浮かべた。

「な、実際にナンパされてそのセリフ言ってんだろ?効果はどれほどなんだ?」

「今までは100%でしたよ?他にもセリフ教えていただきましたし」

「へぇ…。んじゃ、それに引っかからなった俺に、付き合ってくれよ、志乃」


その他のセリフの気になるな、と思いつつ、
真田はウインクして志乃を誘った。


「え?」

「いいだろ?」

「…」

困った。一緒に行きたいのはやまやまだ。

だが、志乃はこれから病院に行く予定で仕事を休んだのだ。


「あの、真田さん、私、これから病院に…」


「もちろん、それが終わってから、さ。…ダメか?」


先ほどは自信満々に、
自分の誘いを断るわけがない、むしろ断らせない
とでも言うような態度だったのに、
一転してしゅん、としたような真田に
志乃は堪えきれず声をだして笑った。

子供みたいでかわいい、なんて言ったら怒るだろうか。

「…どこに連れて行ってくれるんですか?」

突然笑った志乃に、少々面食らった様子だった真田だが、
志乃の肯定的な問いかけに表情を輝かせた。


「それは行くまで秘密!」

「楽しみです」


志乃が歩きやすいように
速度や段差、障害物などに気を配りながら
真田がエスコートしつつ、まず病院に向う。


今日一番の志乃の笑顔が見れるのは、
定期検診後の、デートの最中のことである。



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志乃かわいいよ志乃。
真志かわいいよ真志。

今原作が際どい所で終わっていますが、
(真志的にはかなりおいしかったけど)
ハッピーエンドだって信じてる。


個人的に志乃は真田さん呼びのが好きです。
シュミに走って申し訳ありません・・・。


つか、終わり方がありきたりというか、
いつも同じようになってしまいます・・・。
すみません・・・。


オリジナル人物を登場させて書きたい真志があります。
いつか形にできるといいなぁ・・・。




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