※八晴
※若干捏造?
※激短文
晴香は、赤い色が苦手だった。
血のようで怖かった。
それを覆したのは、あの瞳の色だ。
どうして血だなんて思ったのか。
この世に、あんな綺麗な赤があるなんて信じられなかった。
見惚れた。
あんなに、優しく、温かい深い赤を、知らない。
夕焼けの優しさにも似ている。
太陽のような温かさにも似ている。
胸に刻む、その深い印象も。
それは、きっとすべて。
「八雲君が、持っているから、きっとその瞳の赤は綺麗なんだね」
私が八雲の父親の瞳を綺麗だと思わないように。
きっと、私が、誰かが、その赤の瞳をもってても、魅力半減だ。
八雲のモノだからこその、輝き。
「っ!」
「・・・八雲君?」
私、なんか変なこと言った?
心底不思議そうな晴香の視界に映らないように
八雲は無言で顔を背けた。
晴香は八雲の瞳が見えなくなったからか、
それとも八雲の機嫌を損ねたと思ったからか、
落ち込んだように瞳を曇らす。
そのことに気づく余裕もない八雲は、ただ己を制御することだけに懸命だった。
(・・・どんな殺し文句だ、それは)
結局八雲の顔の赤みと緩んだ顔がもとに戻るまで、
晴香と八雲は気まずい空気の中、同じ空間にいるに関わらず
視線も合わせず、会話もしないまま過ごすことになるのだった。
*********************
もし、そうだったら萌える!と思った。
0 件のコメント:
コメントを投稿