夢を見た。
起きて空を見上げれば満月で。あまりにも明るいその光が自分の泣き顔を照らすから、さらに涙が溢れ出した。
困った。涙が止まらない。
夢の内容は朧げながら覚えている。
でも思い出したいものではない。忘れられないだけだ。
あの手を、思い出して自分の手を見た。絶対に離してはならなかった手。でも手を繋ぎ続けるには、あまりにも難しい手だった。
ギン…。
細くて白い、女みたいな手。でも頼りになる、唯一の救いの手だった。
その手があればなんでもできそうな気がした。
大好きで、離したくなくて。
ずっと、ずっと一緒になんて無理だと知っていた。覚悟だってしていた。
ただ、あんな別れは予想していなかったけれど。
追いかけ続けた背中だった。何度追いつき、追い越そうとしたことか。結局飄々と涼しげな顔で逃げられたが。
いつだって、伸ばした手は届かなかった。
そのくせ気まぐれに構ってくるから忘れられなくて。手を伸ばすことを諦められなくて。
後悔なら死ぬほどしている。
彼を止められるとは思わないが、せめて気づけていたのなら何かが変わるような気がするのだ。
嗚呼。どうすれば貴方は私の傍に居てくれたというの?
どうすれば、この手を取って愛を囁いてくれたというの?
…何故何も言わないまま、行ってしまったの?
私に貴方以上のものなどないと、知っていたでしょうに。
わからない。わからないの。
ずっと、ずっと一緒だったのに。
何も、わからない。
ギンは誰より、下手したら乱菊自身以上に、乱菊のことを知っているだろうに。
どうして、私…。
こんなにも。
世界の全てがギンだった。何もかもギンが一緒で、何もかもが、ギンに関係していた。
彫り込みとは怖いもので、ギン以外何もいらないと何度思っただろう。
どうして、連れて行ってくれなかったの?足手まといだから?
私は邪魔者だったの?
だったらどうしてあの時私を助けたりしたのよ?
どうして…。
いつからだろうか。こんなに離れてしまったのは。
いつからだっただろうか。貴方のことを好きになっていったのは。
この想いが消えることなど有り得ない。そんなはずがない。
誰に何を言われようと、この気持ちは一生ギンへ向けられるのだから。
愛してた。
愛している。
愛してる。
好き。
愛しい愛しい、私だけの。
ギン。
伸ばされた手は誰にも掴まれることなく落ちるのだろう。
そのことは最早決定事項で、覆ることがないことを知っている。
でも、また手を伸ばしてしまうだろう自分を、誰かは愚かだと嗤うだろうか。
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まさかハマると思っていなかったCPです。
でも、多分、これきりな気がします。
若干キャラ捏造ですかね・・・?(汗)
きっと乱菊さんはこんなに弱くない気がする・・・。
ちなみにこのギンはもちろん乱菊のこと一番に考えてますよ。
乱菊はそんなこと微塵も知らないけど、ギンはそれでいいと思ってて、でもどこか気づいてほしい・・・、
でも自分では言えないっていうもどかしいギン。
時期は現在ジャンプでも、ギンが藍染についてってすぐでも、どっちでもつうじますね・・・。
各自好きなほうで妄想してくださいな。(丸投げ)
あああああ・・・。
二人には幸せになってほしかったのに・・・(泣)
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