2010年10月21日木曜日

ブリーチ 独白(乱菊→ギン)

夢を見た。


起きて空を見上げれば満月で。あまりにも明るいその光が自分の泣き顔を照らすから、さらに涙が溢れ出した。

困った。涙が止まらない。

夢の内容は朧げながら覚えている。

でも思い出したいものではない。忘れられないだけだ。



あの手を、思い出して自分の手を見た。絶対に離してはならなかった手。でも手を繋ぎ続けるには、あまりにも難しい手だった。



ギン…。



細くて白い、女みたいな手。でも頼りになる、唯一の救いの手だった。

その手があればなんでもできそうな気がした。

大好きで、離したくなくて。

ずっと、ずっと一緒になんて無理だと知っていた。覚悟だってしていた。

ただ、あんな別れは予想していなかったけれど。



追いかけ続けた背中だった。何度追いつき、追い越そうとしたことか。結局飄々と涼しげな顔で逃げられたが。



いつだって、伸ばした手は届かなかった。

そのくせ気まぐれに構ってくるから忘れられなくて。手を伸ばすことを諦められなくて。



後悔なら死ぬほどしている。

彼を止められるとは思わないが、せめて気づけていたのなら何かが変わるような気がするのだ。



嗚呼。どうすれば貴方は私の傍に居てくれたというの?

どうすれば、この手を取って愛を囁いてくれたというの?

…何故何も言わないまま、行ってしまったの?

私に貴方以上のものなどないと、知っていたでしょうに。



わからない。わからないの。

ずっと、ずっと一緒だったのに。

何も、わからない。



ギンは誰より、下手したら乱菊自身以上に、乱菊のことを知っているだろうに。



どうして、私…。

こんなにも。



世界の全てがギンだった。何もかもギンが一緒で、何もかもが、ギンに関係していた。

彫り込みとは怖いもので、ギン以外何もいらないと何度思っただろう。



どうして、連れて行ってくれなかったの?足手まといだから?

私は邪魔者だったの?

だったらどうしてあの時私を助けたりしたのよ?



どうして…。



いつからだろうか。こんなに離れてしまったのは。

いつからだっただろうか。貴方のことを好きになっていったのは。



この想いが消えることなど有り得ない。そんなはずがない。

誰に何を言われようと、この気持ちは一生ギンへ向けられるのだから。



愛してた。

愛している。

愛してる。

好き。

愛しい愛しい、私だけの。



ギン。



伸ばされた手は誰にも掴まれることなく落ちるのだろう。

そのことは最早決定事項で、覆ることがないことを知っている。

でも、また手を伸ばしてしまうだろう自分を、誰かは愚かだと嗤うだろうか。

 
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まさかハマると思っていなかったCPです。
でも、多分、これきりな気がします。
 
若干キャラ捏造ですかね・・・?(汗)
きっと乱菊さんはこんなに弱くない気がする・・・。
 
ちなみにこのギンはもちろん乱菊のこと一番に考えてますよ。
乱菊はそんなこと微塵も知らないけど、ギンはそれでいいと思ってて、でもどこか気づいてほしい・・・、
でも自分では言えないっていうもどかしいギン。
 
時期は現在ジャンプでも、ギンが藍染についてってすぐでも、どっちでもつうじますね・・・。
各自好きなほうで妄想してくださいな。(丸投げ)
 
あああああ・・・。
二人には幸せになってほしかったのに・・・(泣)

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