※ゲーム本編1章あたり。
※補完というか捏造設定
※カップリング要素なし
※新撰組幹部+千鶴
何かしなければ。
隊士のみんなにとって為になることを。
何か見つけなくては。
だって、役に立たなければ、殺されてしまう。
役に立つことを証明しなければ。
自分がここにいるための大義名分を作らなくては。
切り捨てられないだけの価値を持たなければ。
何か、何か、自分に出来ることはないだろうか。
自分にでなければ、出来ないことが、何か。
「土方さん、何かお手伝いできることはありませんか」
駐屯での生活が始まってから、千鶴は土方に限らず、どの隊士たちにもそう尋ねている。
それは下手な命乞いよりもタチが悪い。
必死すぎて、目を背けたくなるくらいに。
まさに、何か用を与えてやらねばこいつは死ぬんじゃないか、と思わせるような気さえする様子の彼女を見て、幹部隊士の面々の反応はそれぞれだ。
ある者は嘲笑い、ある者は無表情で静観し、ある者は不憫に思う。
千鶴はそんな隊士たちの様子には気付いていないだろうが。
もちろん、彼女は部屋から出ることは禁止されているため、端から答えなど決まっているのだが。
非番の藤堂、隊務が終わった原田、稽古に励む永倉は中庭にいた。
藤堂が考えていたことをゆっくりと咀嚼するようにぽつりと呟いた。
「なんかさ、見てられないよな」
「あ?」
「何がだ?」
「・・・千鶴」
「あーあの子な・・・」
「・・・まあ、元が真面目なんだろうからな。この環境の下でじっとしてられないってのもあるんだろうが・・・」
「・・・土方さん、優しいんだかなんなんだかわかんねぇ…。お咎めなしのわりには軟禁生活でさ。可哀想じゃん・・・」
「…平助。そういう気持ちは大切だが、ほどほどにしとけよ。じゃねぇと大義を見失うぜ」
「わかってるけどさ・・・」
「あははは。相変わらずだなぁ平助君は」
「総司!」
「甘いよね本当。近藤さんが優しいのは昔からだけど、土方さんも幹部みんなもこんなんでいいのかなぁ」
「・・・どういう意味だよ総司」
「あれ見てみなよ」
「「「?」」」
「「・・・あ・・・」」
「・・・」
開けっ放しになっている窓から、千鶴が一生懸命に部屋の掃除をしているのが見えた。
自分の部屋から出れないのであれば、と考えて考え抜いた苦肉の策だったのだろう。
今日監視担当のはずの斎藤にでも頼んだのか、雑巾と桶が見える。
土方至上主義の斎藤が許可したということは当然土方にもその行動は筒抜けのはずだ。
それでも何も言わないあたり、鬼副長といえども千鶴に不憫を感じていたのだろうか。
何も言えない一同に、沖田はため息を吐き肩をすくめるとそのまま踵を返した。
その日の夜。
もうとっくに人々が寝静まった頃に斎藤が土方の部屋を訪ねてきた。
なんとなく予感はしていた。
「・・・副長。雪村の件ですが・・・」
「・・・なんだ」
「・・・自分の身を守る術は心得ているようです」
「そうか」
「・・・その、脱走の様子も見られませんし、指示にも従います。我儘を言うこともないようですし・・・」
「珍しいな斎藤。お前がそんな回りくどいこと言うなんざ。・・・千鶴の外出の件だろう」
「・・・はい」
「先日、検討をすると伝えたが、それほど急を要するのか」
「いえ、別にそんなことは。・・・ただ、その、見ていられないというか・・・」
「あはははは。本当、見てられないですよね」
「総司・・・」
突然部屋に入ってきた沖田は訳知り顔でにやにやしている。
面倒な奴が来やがったと土方は眉をひそめる。
「まあ、僕達が何も言わないでも、お優しい鬼の副長様は外出の許可を出すつもりだったようですけどね」
「副長・・・!」
驚いたように目を見開く斎藤の様子に苦笑する。
どうやら自分はよほど無情に見られているらしい。
そんな土方の心情を察したのか、沖田は猫のように笑う。
ため息をついた土方は、しかしその沖田の言葉には何も言わずに無言を通した。
その無言は即ち肯定である。
斎藤は目を瞬き、はっとしたように頭を下げた。
千鶴に巡回時の同伴が叶うのは、もう数日経ってのことである。
****************************
メリッサ
花言葉:同情
タイトルが思い浮かばなかったので・・・。
土方さんは最初たしか雪村なんですが、そのうち千鶴になりましたよね・・・。
あの変化はいったい・・・?
心の変化ということでいいのでしょうか。
でも山崎とか新八には君付けたり付けなかったりも・・・。
なんなんでしょう・・・。
原田さんも一回ぐらい千鶴ちゃんって呼んでて、えええええ?!ってびっくりした。
ちゃんはない。あの顔&声でちゃんとかw
個人的に千鶴呼びのが好きです。
(斎藤さんの雪村呼びは例外的に好き。)
斎藤さんの土方さんへの盲信ぶりも好き。
千鶴と土方さんどっちをとるか、EDのちょい前の斎藤さんなら禿げるくらい迷いそうだw
ED後は多分千鶴だろうけど(笑)
うん、愛の力って偉大だよねってことでv
追記:随想録で平助の最初のやつと矛盾してますね・・・(汗)
2次ですので、御容赦ください。
※補完というか捏造設定
※カップリング要素なし
※新撰組幹部+千鶴
何かしなければ。
隊士のみんなにとって為になることを。
何か見つけなくては。
だって、役に立たなければ、殺されてしまう。
役に立つことを証明しなければ。
自分がここにいるための大義名分を作らなくては。
切り捨てられないだけの価値を持たなければ。
何か、何か、自分に出来ることはないだろうか。
自分にでなければ、出来ないことが、何か。
「土方さん、何かお手伝いできることはありませんか」
駐屯での生活が始まってから、千鶴は土方に限らず、どの隊士たちにもそう尋ねている。
それは下手な命乞いよりもタチが悪い。
必死すぎて、目を背けたくなるくらいに。
まさに、何か用を与えてやらねばこいつは死ぬんじゃないか、と思わせるような気さえする様子の彼女を見て、幹部隊士の面々の反応はそれぞれだ。
ある者は嘲笑い、ある者は無表情で静観し、ある者は不憫に思う。
千鶴はそんな隊士たちの様子には気付いていないだろうが。
もちろん、彼女は部屋から出ることは禁止されているため、端から答えなど決まっているのだが。
非番の藤堂、隊務が終わった原田、稽古に励む永倉は中庭にいた。
藤堂が考えていたことをゆっくりと咀嚼するようにぽつりと呟いた。
「なんかさ、見てられないよな」
「あ?」
「何がだ?」
「・・・千鶴」
「あーあの子な・・・」
「・・・まあ、元が真面目なんだろうからな。この環境の下でじっとしてられないってのもあるんだろうが・・・」
「・・・土方さん、優しいんだかなんなんだかわかんねぇ…。お咎めなしのわりには軟禁生活でさ。可哀想じゃん・・・」
「…平助。そういう気持ちは大切だが、ほどほどにしとけよ。じゃねぇと大義を見失うぜ」
「わかってるけどさ・・・」
「あははは。相変わらずだなぁ平助君は」
「総司!」
「甘いよね本当。近藤さんが優しいのは昔からだけど、土方さんも幹部みんなもこんなんでいいのかなぁ」
「・・・どういう意味だよ総司」
「あれ見てみなよ」
「「「?」」」
「「・・・あ・・・」」
「・・・」
開けっ放しになっている窓から、千鶴が一生懸命に部屋の掃除をしているのが見えた。
自分の部屋から出れないのであれば、と考えて考え抜いた苦肉の策だったのだろう。
今日監視担当のはずの斎藤にでも頼んだのか、雑巾と桶が見える。
土方至上主義の斎藤が許可したということは当然土方にもその行動は筒抜けのはずだ。
それでも何も言わないあたり、鬼副長といえども千鶴に不憫を感じていたのだろうか。
何も言えない一同に、沖田はため息を吐き肩をすくめるとそのまま踵を返した。
その日の夜。
もうとっくに人々が寝静まった頃に斎藤が土方の部屋を訪ねてきた。
なんとなく予感はしていた。
「・・・副長。雪村の件ですが・・・」
「・・・なんだ」
「・・・自分の身を守る術は心得ているようです」
「そうか」
「・・・その、脱走の様子も見られませんし、指示にも従います。我儘を言うこともないようですし・・・」
「珍しいな斎藤。お前がそんな回りくどいこと言うなんざ。・・・千鶴の外出の件だろう」
「・・・はい」
「先日、検討をすると伝えたが、それほど急を要するのか」
「いえ、別にそんなことは。・・・ただ、その、見ていられないというか・・・」
「あはははは。本当、見てられないですよね」
「総司・・・」
突然部屋に入ってきた沖田は訳知り顔でにやにやしている。
面倒な奴が来やがったと土方は眉をひそめる。
「まあ、僕達が何も言わないでも、お優しい鬼の副長様は外出の許可を出すつもりだったようですけどね」
「副長・・・!」
驚いたように目を見開く斎藤の様子に苦笑する。
どうやら自分はよほど無情に見られているらしい。
そんな土方の心情を察したのか、沖田は猫のように笑う。
ため息をついた土方は、しかしその沖田の言葉には何も言わずに無言を通した。
その無言は即ち肯定である。
斎藤は目を瞬き、はっとしたように頭を下げた。
千鶴に巡回時の同伴が叶うのは、もう数日経ってのことである。
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メリッサ
花言葉:同情
タイトルが思い浮かばなかったので・・・。
土方さんは最初たしか雪村なんですが、そのうち千鶴になりましたよね・・・。
あの変化はいったい・・・?
心の変化ということでいいのでしょうか。
でも山崎とか新八には君付けたり付けなかったりも・・・。
なんなんでしょう・・・。
原田さんも一回ぐらい千鶴ちゃんって呼んでて、えええええ?!ってびっくりした。
ちゃんはない。あの顔&声でちゃんとかw
個人的に千鶴呼びのが好きです。
(斎藤さんの雪村呼びは例外的に好き。)
斎藤さんの土方さんへの盲信ぶりも好き。
千鶴と土方さんどっちをとるか、EDのちょい前の斎藤さんなら禿げるくらい迷いそうだw
ED後は多分千鶴だろうけど(笑)
うん、愛の力って偉大だよねってことでv
追記:随想録で平助の最初のやつと矛盾してますね・・・(汗)
2次ですので、御容赦ください。
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