※別冊1後
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「それをお前が言うか!」
突き刺さったような顔をした。
今にも泣きそうなのに強張った表情はけして崩れはしない。
しまったと思って手を伸ばした時にはもう遅く、バシっと音を立てて手を振り払われた。
一瞬事務所は静まるが気にしている場合ではない。
「…わかりました。笠原、もう堂上一正には何も言いません。」
「おい!い、…。」
名前を呼ぼうにも鋭い目つきがそれを許さない。
「…業務中に失礼しました。仕事に戻ります。」
「おいだからちょっと待て!」
「…プライベートのことなら業務後に承りますが、上官命令ですか?」
普段なら有り得ない言葉遣いと態度…今の郁のその全てが堂上を拒否していた。
何も言えない堂上に、郁は見切りをつけたらしい。
そのままきびすを返して訓練速度で事務所を出ていった。
郁の気配が完全に消えても動けなかった堂上を小牧が切った。
「…今のは堂上が悪いよ。」
小牧がポツリと言った一言につられ、手塚が唖然としたように呟いた。
「…俺、あいつのあんな顔初めて見ました…。怖ぇ…。」
—堂上があの顔を見たのは過去2回。
1回目は告白された後にうるさい黙れもうしゃべるな!と吐き捨てて、あらぬ誤解をさせた時。
2回目は婚約前の1ヵ月にも及ぶ大喧嘩で、ごっこ遊びと切り捨てた時。
2回とも堂上のせい。
いつもはすぐ泣くくせに、何故かこういう時だけはけして涙を流しはしない郁。
—違う。
傷つきすぎて泣きたくても泣けない、そんな顔だ。
自分が口下手で言葉が足りないのも知っている。
5歳も年上のくせに余裕がないのだって自覚済みだ。
加えてアイツはバカだし、人の予想の斜め上を行くんだから手に負えない。
確かに今のは自分が悪い。
そんなのは十分わかっている。
だが、いくら三十路過ぎとはいえ、愛しすぎる奥さんがいるおかげで
嫉妬心が常に半端ない堂上だ。
(ヤキモチが入っていたことぐらい気づけ阿呆。)
まあ、堂上が心中でどんなに愚痴ても郁は気づくことなどないのだろうが。
「…追いかけなくていいの?」
「…今俺が行っても頑なになるだけだ。」
「そう。素直じゃないね二人とも。」
「…柴崎呼びましょうか。」
「いや、あいつを呼んだら、今日多分郁は寮の方に泊まることになるからそれは避けたい。」
「…たまにはいいんじゃない?それも。」
「…勘弁しろ。」
傍にいない
「やっぱり堂上の都合なんじゃない。きっかけがないと謝れない?」
「…柴崎の所においておいたら更にめんどくさい事になるだろ。」
「それだけ?」
「…業務中に私情を挟んで悪かったな。この話は終わりだ。仕事に戻るぞ。」
「…逃げるのは良くないよ堂上。」
「…わかってる。」
だが、わかっているのと納得するのは別だ。
(こっちの気持ちも偶には察しろ阿呆が。)
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終わり方が微妙で中途半端っぽいですが、一応これで終わりです。
喧嘩は多分なんだかんだと柴崎が介入してきて、郁ちゃんの勝ちで終わります(笑)
久しぶりにタイトルを付けましたが、ほんと自分センスない・・・。
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「それをお前が言うか!」
突き刺さったような顔をした。
今にも泣きそうなのに強張った表情はけして崩れはしない。
しまったと思って手を伸ばした時にはもう遅く、バシっと音を立てて手を振り払われた。
一瞬事務所は静まるが気にしている場合ではない。
「…わかりました。笠原、もう堂上一正には何も言いません。」
「おい!い、…。」
名前を呼ぼうにも鋭い目つきがそれを許さない。
「…業務中に失礼しました。仕事に戻ります。」
「おいだからちょっと待て!」
「…プライベートのことなら業務後に承りますが、上官命令ですか?」
普段なら有り得ない言葉遣いと態度…今の郁のその全てが堂上を拒否していた。
何も言えない堂上に、郁は見切りをつけたらしい。
そのままきびすを返して訓練速度で事務所を出ていった。
郁の気配が完全に消えても動けなかった堂上を小牧が切った。
「…今のは堂上が悪いよ。」
小牧がポツリと言った一言につられ、手塚が唖然としたように呟いた。
「…俺、あいつのあんな顔初めて見ました…。怖ぇ…。」
—堂上があの顔を見たのは過去2回。
1回目は告白された後にうるさい黙れもうしゃべるな!と吐き捨てて、あらぬ誤解をさせた時。
2回目は婚約前の1ヵ月にも及ぶ大喧嘩で、ごっこ遊びと切り捨てた時。
2回とも堂上のせい。
いつもはすぐ泣くくせに、何故かこういう時だけはけして涙を流しはしない郁。
—違う。
傷つきすぎて泣きたくても泣けない、そんな顔だ。
自分が口下手で言葉が足りないのも知っている。
5歳も年上のくせに余裕がないのだって自覚済みだ。
加えてアイツはバカだし、人の予想の斜め上を行くんだから手に負えない。
確かに今のは自分が悪い。
そんなのは十分わかっている。
だが、いくら三十路過ぎとはいえ、愛しすぎる奥さんがいるおかげで
嫉妬心が常に半端ない堂上だ。
(ヤキモチが入っていたことぐらい気づけ阿呆。)
まあ、堂上が心中でどんなに愚痴ても郁は気づくことなどないのだろうが。
「…追いかけなくていいの?」
「…今俺が行っても頑なになるだけだ。」
「そう。素直じゃないね二人とも。」
「…柴崎呼びましょうか。」
「いや、あいつを呼んだら、今日多分郁は寮の方に泊まることになるからそれは避けたい。」
「…たまにはいいんじゃない?それも。」
「…勘弁しろ。」
傍にいない
「やっぱり堂上の都合なんじゃない。きっかけがないと謝れない?」
「…柴崎の所においておいたら更にめんどくさい事になるだろ。」
「それだけ?」
「…業務中に私情を挟んで悪かったな。この話は終わりだ。仕事に戻るぞ。」
「…逃げるのは良くないよ堂上。」
「…わかってる。」
だが、わかっているのと納得するのは別だ。
(こっちの気持ちも偶には察しろ阿呆が。)
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終わり方が微妙で中途半端っぽいですが、一応これで終わりです。
喧嘩は多分なんだかんだと柴崎が介入してきて、郁ちゃんの勝ちで終わります(笑)
久しぶりにタイトルを付けましたが、ほんと自分センスない・・・。
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