現パロ設定
※鬼のみ記憶有り
※風間→千鶴→新撰組
※捏造気味
「所詮羅刹などまがいものだ。本物の鬼にはなりきれまい。」
「…。」
「それでも、お前は会いに行くのか。」
「…はい。記憶がなくても、皆さんは皆さんですから。」
そう言うと、思っていた。
「…ひとつ、覚えておけ。…お前は、俺のものだ。」
「…はい。わかっています。」
それが、条件であり、約束なのだから。
皆には記憶がなくて、自分にはある。
―――鬼である、自分には。
やはり、自分は鬼で皆とは違う存在なのだと、否応なく思い知らされる。
自分は、人とは、違う。
わかっていたはずなのに、どうしてこうも苦しいのだろう。
とうの昔に、思い知った筈なのに。
「…泣くのは、俺の前だけにしろ。」
「…泣いてなど、いません。」
「…そうか。ならば、顔を上げろ。」
「…嫌です。」
「…貴様は、…。」
そう言って風間は眉間に皺を寄せ溜息を吐くと、千鶴を強引に抱き寄せる。
「…まあ、いい。…泣くなとは言わん。好きなだけ、勝手に泣け。」
力強い腕が不器用に自分を抱きしめる。
どうしてだろう。その腕の中は、何故かとても安心した。
涙が、溢れる。
やっと、会えた。やっと、会えたのに。
もう、あの人の傍にいることはかなわない。
あの、昔のような笑顔を向けられることも、あたたかな瞳で見つめられることも、名を呼ばれることも、
優しい手が髪を撫でることも、力強く抱きしめられることも、愛の言葉を囁かれることも、
口づけも、何も、何も、してはもらえない。
会うまでは、一目見るだけでいいと、そう思っていた。
だが、一目見れば、声が聞きたくなった。触れたくなった。
見るだけでは、会うだけでは、足りない。
もっと、もっと、近づきたくなった。
ここでは遠い。もっと、傍に行きたくなった。
「・・・あなたは、いつも私の傍にいてくれるんですね。」
「当たり前だ。鬼は約束は守る。お前を守るのは当然だ。」
「・・・。」
千鶴の顔が泣きそうに歪む。
…あなたは、あなただけは、・・・どうか。
++++++++++++++++++++++++++++++++++
多分続かない。