2010年6月26日土曜日

予告風味。 現パロ 風千→新撰組

現パロ設定




※鬼のみ記憶有り


※風間→千鶴→新撰組


※捏造気味








「所詮羅刹などまがいものだ。本物の鬼にはなりきれまい。」


「…。」


「それでも、お前は会いに行くのか。」


「…はい。記憶がなくても、皆さんは皆さんですから。」




そう言うと、思っていた。




「…ひとつ、覚えておけ。…お前は、俺のものだ。」


「…はい。わかっています。」




それが、条件であり、約束なのだから。






皆には記憶がなくて、自分にはある。


―――鬼である、自分には。




やはり、自分は鬼で皆とは違う存在なのだと、否応なく思い知らされる。




自分は、人とは、違う。




わかっていたはずなのに、どうしてこうも苦しいのだろう。


とうの昔に、思い知った筈なのに。






「…泣くのは、俺の前だけにしろ。」


「…泣いてなど、いません。」


「…そうか。ならば、顔を上げろ。」


「…嫌です。」


「…貴様は、…。」


そう言って風間は眉間に皺を寄せ溜息を吐くと、千鶴を強引に抱き寄せる。


「…まあ、いい。…泣くなとは言わん。好きなだけ、勝手に泣け。」




力強い腕が不器用に自分を抱きしめる。




どうしてだろう。その腕の中は、何故かとても安心した。




涙が、溢れる。




やっと、会えた。やっと、会えたのに。


もう、あの人の傍にいることはかなわない。




あの、昔のような笑顔を向けられることも、あたたかな瞳で見つめられることも、名を呼ばれることも、


優しい手が髪を撫でることも、力強く抱きしめられることも、愛の言葉を囁かれることも、


口づけも、何も、何も、してはもらえない。




会うまでは、一目見るだけでいいと、そう思っていた。


だが、一目見れば、声が聞きたくなった。触れたくなった。


見るだけでは、会うだけでは、足りない。


もっと、もっと、近づきたくなった。


ここでは遠い。もっと、傍に行きたくなった。





「・・・あなたは、いつも私の傍にいてくれるんですね。」


「当たり前だ。鬼は約束は守る。お前を守るのは当然だ。」


「・・・。」

千鶴の顔が泣きそうに歪む。


…あなたは、あなただけは、・・・どうか。




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多分続かない。

2010年6月20日日曜日

図書館戦争 柴崎中心 堂郁、手柴 ※柴郁要素含む

※キャラ崩壊気味
※別冊1直後
※百合っぽい表現有り



「あ、そうだ。堂上教官。今日笠原と飲みに行ってきます。なので笠原返してもらいますよ」
特殊部隊の事務所に柴崎が訪れた時、わざとらしく思い出したようにそう告げる。
郁からもとっくに言われていることを知っているだろう柴崎の言葉に、案の定、堂上は眉を潜めた。
「...笠原は笠原の物でお前のじゃない。日本語として返すというのはおかしいだろう」
「あら。正論。まあ、堂上教官の物でもないって事ですね」
さらに堂上の眉間のしわが深まった。柴崎にしてみれば、してやったり、である。
「...気をつけて行って来い。楽しんでこいよ」
「は〜い」
「・・・遅くなったら連絡しろ。迎えにいく」
「・・・ちなみに、遅いって何時ごろですか?」
にっこりと嫌味なぐらいの笑顔で尋ねると、堂上は苦々しそう
に9時半と答えた。
今時大学生でも飲み会でそんな時間に帰らないだろう。
噴出し爆笑する。
きっと本心では8時だろうと何時だろうと迎えに来たいに違いない。
柴崎にからかわれることがわかってて、でもやっぱり譲れない
門限に、堂上の中でそれはもう葛藤があるはず。
それを隠そうとしての結果の眉間の皺。
だから柴崎はこれまた嫌味な笑顔で了解した。


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「どうして、この気持ちが恋じゃないのかしら。
もしも、この恋が、本気の想いだったら、今すぐにでもあの人
から笠原を攫ってやるのに。…どうして。」

お前が、女で、笠原も、女だからだろ、とは言えず、結局手塚
は押し黙るしかなかった。
たとえ性別が違くても、柴崎が笠原を攫うことはないだろうと思ったからだ。

「…私、本当に、笠原のことが大切なの。大好きなの。今まで好
きになった人の、誰よりも、何よりも。…なのに、どうして、
私は、笠原を、攫ってしまわないのかしら。」

…堂上教官の恋人だから?…笠原が、堂上教官が好きだからかしら。

柴崎の美しい真っ白な頬に、涙が流れた。

「…笠原の、友達だから?」

なんて、残酷で、なんて、明快な答えだろう。
友達に、親友に、なりたかったのも本当だ。
だが、まさかこんな形で自分に返ってくるとは。

「…解せないわね。」

自嘲気味にため息をついて、柴崎は濡れた頬をそのままに、手
塚の方を向いた。

「…笠原には、内緒よ。」

あの鈍い天然な小娘は、柴崎の気持ちなんかに欠片ほども気づ
かない。
誰より近く傍にいても。
否。柴崎が気づかせなかったのだ。そのくらいのことなど、柴
崎はお手の物だ。
…きっと、堂上辺りは無意識に気づいているのかもしれないが。
でも、あの大人な上官は多分絶対に柴崎に釘を刺したりしないだろう。
そのぐらい、憎たらしくてかっこよくて。
さすが、笠原の好きな相手なだけはある。
まったく、嫌になる。
———かなわない。悔しい。悔しい。悔しい。

だって、たとえこの恋が本物でも、笠原は絶対に私についてきてくれやしない。
そのぐらい、柴崎だって簡単にわかる。
だって、ずっと見てきたんだもの。
誰より、近くで。傍で。あの、笑顔を。
ずっと、見てきたんだから———。

嗚咽が漏れる。
が、この堅物な同期は聞かなかったことにしてくれるらしい。
そのことに安堵して、少し、甘えた。
きっとこんなに泣き散らせば、明日の朝は笠原に笑っておめでとうと言える。
そして、変わらないあの笑顔で、あの子は。
ぎゅっと、強く抱きしめられて、柴崎はますます強くその胸に縋りついた。

笠原。笠原。笠原。好きよ、好き。大好き。
だから。幸せになんなきゃ、許さないんだから。


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うちの柴崎は郁ちゃんが大好きです。
手塚よりも優先することもしばしばかも(笑)
手塚はそれに若干妬きながら柴崎のそういうとこも受け入れてたりすればいい。
飲みに行って、結局郁ちゃんが寝落ちして、堂上が迎えに来て帰ったので
代わりに手塚呼んで飲みなおした後という後付け設定。

図書館戦争 ※オリキャラ注意  堂郁ちょこっと有。

※別冊2 or 革命エピローグ後
※切なめ
※オリジナルキャラ中心
※いろいろ捏造
※ツッコミ所が多々あるかもしれませんがスルーでお願いします・・・。



つかつかと防衛部には似つかわしくないヒールの音が響いたのは、突然だった。
その図書館員は、颯爽と現れていきなり大声で叫んだ。
その小柄な体格には想像も出来ないような、声で。

「吉田とかいうバカはどいつ?!」
その迫力に圧され一同は一瞬黙るが、おずおずと吉田一士が名乗りを上げた。
「...俺だけど」
するとキッと睨んだかと思うと、吉田の方につかつかと歩み寄り、いきなり手を振り上げた。
パチン!という音が室内に響く 。
唖然としている吉田を前に、まだ殴り足りないといったような目で、自分より頭二つ分は上であろう男を見上げ、その図書館員——山崎まどか一士——は捲し立てる様に言った。
「あんた、銃を撃ちたいとかほざいたそうね!手塚慧会長の素晴らしい功績を踏みにじるつもり?!あんたはあの銃撃がまた始まってもいいと、そう言いたいわけ?!」
「そんなわけないだろ!...あれは...その、つい...」
「つい?!つい、何よ?!あんたは小学生みたいなそんな軽い気持ちで、火気機使用を欲するわけ?!そのせいで何人人が死のうが、どんな被害が出るかもどうでもいいわけ?!...あの悪夢が、どんなに酷いことかもあなたにはわからないのね!そんな奴に図書を守る資格はないわ!笑わせないで!」
「なっ!そんなことお前に言われる筋合いはない!お前は何様のつもりだ!」
「あんたみたいな阿呆に名乗る名はないわ!...遊び半分でこの仕事をやってるくらいなら消えてちょうだい!図書隊に子供は要らないの!」
「なんだと?!」
騒ぎを聞きつけ教官達、上司が集まってくるが、騒ぎを起こした処分ぐらいなら覚悟の上だ。

…言いたいことは言えた。

まどかは、吉田があの発言をした時に殴ったという女性上官をみつけ、感謝と尊敬の眼差しを向けた。

あんたに、何がわかるの。

吉田がフザケ半分冗談半分で言ったことぐらいは分かっている。でも、それでもまどかは許せなかった。どうしても。
一発殴ったぐらいじゃ足りない。
心が叫んでいる。

許せない。許さない。

「落ち着いた?」
あの女性教官——堂上三正——が気を遣ってくれたのか、会議室には二人だけだ。
コーヒーが手渡され、お礼を言うとその三正は穏やかに笑った。
「…あなたのいい分は正しいと思うよ。私もあなたの言うことに賛成だし、言いたい気持ちも分かる。でも、ちょっと騒ぎが大きくなりすぎちゃったね。」
「…他の奴らにも思い知らしてやりたかったからいいんです。処分も覚悟の上だったので」
「それは大丈夫!処分とかはないから。ただの喧嘩だしね」
「…そうですか...」
肩の荷が降りた。安堵の溜息が聞こえていたのか、その三正はまどかを見て悪戯っぽく言った。
「吉田の奴にはもう一発喰らわしてやったから」
「え...。あ、ありがとうございます」
面食らって目を見張る。
特殊部隊が遊撃性に富んでいるのは知っていたが、エリート集団であるからには、それなりの人間で
あろうと勝手に思っていたが、実はそうではないらしい。
少し 、気が緩んだ。
だからだろうか。話すつもりもなかった言葉が溢れてきた。
「...私の父、元良化隊員なんです」
唐突のまどかの言葉に少し驚いた様子だったが、でも何も言わず、堂上三正はいきなりのまどかの話にも静かに耳を傾けてくれる。
何故か、それが、涙が出そうなくらい、嬉しかった。
「...本当に、偶々だったんですよ。なんでこんなことになっちゃったんだろう、なんでよりによってあの日だったんだろうって、今でも思うんですけど。...父は、やっぱりそれも何も言わなかったですけど...」
そんなこと、今更言っても仕方がないことなど、わかっているけれど。
「...私が中学生の時、偶々、母と珍しく図書館に行ったんです。...そしたら、いきなり検閲。避難ましたよ、もちろん。でも混乱で母と逸れて。...図書隊員の人が誘導してくれましたけど、その人が偶然にも問題の図書を運ぶ人だったみたいで。...気づいたら、母とその図書隊員の人が倒れてま
した。私、何も覚えてないんですよ。母の最期も。...なんで血を流して二人が私を庇うように倒れていたかなんて、私知らないんですよ。でも、その図書隊の人が息も荒いのに私に謝ってくるのだけはわかりました。...自分が声をかけたばっかりに、こんな事になってすまないと。私を助けようとしてく
れた人が、...本を守ろうとした人が、私に、謝ってくるんですよ」
堂上三正が、膝の拳に力を入れているのに、初めてその時気づいた。
が、気づかない振りをしてそのまま話す。
「...あそこでしゃべらなければ、彼は死ななかったかもしれないんです。それでも、私に謝ったんです。...絶対に、あの人が悪いわけじゃないのに」
撃った良化隊員は今でも誰かなんてわからない。なぜなら。
「そんなことがあっても、父は仕事を止めなかったけど、その事件の事だって、私に何も言ってこなかった。教えてもくれなかった。調べてもくれなかった。母の法事の時も泣きもしなかった」
そして、3年後交通事故で死んだ。
「父が死んだ時、私は悲しくもありませんでした。なんで検閲の時じゃなかったんだろうってことしか思わなかった。泣きもしないでざまあみろって思ってた。...ひどい娘だってわかってます。親不孝だって周囲の人にも散々言われたし。そんなんで私が図書隊に入る時、やっぱり反対されました。良化隊員
だった父の気持ちも考えろって。...そんな戦いの場所に近づいて欲しくないっていうのが表向きの理由みたいですけど」
それでもまどかは図書隊に入った。
「絶対に変えてやるって思って。こんな現状おかしい。...本のことで、銃撃戦になるなんてありえないって。...なんで本のことで、人が死ななくてはならないんだって」
まどかは息を吐いた。
最前線で、本を守っている人達にこんなことを言うのは本当は忍びない。まどかは一応、恥もデリカシ
ーも常識も持っているつもりだ。
「...そんなこと思う私は、本当は一番この図書隊にふさわしくなんてないんです。だから、全部八つ当たりなんです。. ..ごめんなさい」
頭を下げた瞬間、いきなり抱きしめられた。
あまりにも突然すぎて身を硬くする。
「謝んなくていい。...少なくとも、私には謝んないで。あんた、何も悪くないじゃん。…だからもう、・・・自分を責めなくていいよ」
...そんなこと、言われた事なかった。
ずっとあの時迷った自分を、心の奥で非難していた。
あの時、どうして自分があの場にいたのかと。
でも、誰にも気づかせなかったのに。
同情をされたくない。
実の父親を怨み悲劇のヒロインを装う、愚かな娘だと周りに思わせて、誰かが嫌味を言うことをただ受け入れるつもりだったのに。
「...私も、大切な人、何度も失いかけたよ」
声のトーンがいつもと違う。こっちが素なのだろう。
「思い出すのもつらいけど、でもすごく鮮明に覚えてる。その光景を、今でも夢に見るよ。...何度も。...でも、覚えてなくちゃいけない事だから、私は絶対忘れない」
あの時の気持ちも、その人達の気持ちも、まるごと。
忘れてはいけない。絶対に。
「だから、吉田の言ったことに私もすごく腹が立った。お前はなんていうことを言ったかわかってるのかって。...あなたのした事が八つ当たりなら、私のだって公私混同をした八つ当たり」
涙声なのにも今気づいた。でも、やっぱり何も言えない。今、まどかには言うべき言葉はない。
ただその場で、立場も忘れてその腕に、背に、縋り付いた。
こんなに泣いたのはいつぶりだろう。声を抑えずに、ただ泣き続けた。


気づいたら寮だった。23時を過ぎている。
いったいどれほど眠っていたのかと自分に呆れる。

(・・・もしかして、堂上三正が運んでくれたのだろうか)

申し訳ない気持ちになったが、随分と寝ていたはずなのだが、まだ体は休息を欲している。
今日はもう諦めて明日またお礼を改めて言いに行こうと決め、また眠りについた。




「…郁」
「あつしさん」
泣いたのであろうことは察しがついた。目がまだ赤い。
「…頑張ったな」
「…ふぇ…」
きっとこの感受性が強い愛しい妻は感情移入しまくって、でもそれでも上官としての面子を保とうと必死だったに違いない。
結局、その面子はギリギリだったろうが。
「…よしよし。いい子だな」
「…篤さん。…いなくなっちゃ嫌です…」
「俺は郁の傍にいるぞ」
「…こ、こわいんです…」
いつまでも目に焼く着いて消えない、あの光景。
無理矢理忘れたいわけじゃない。忘れられない。忘れちゃいけない。どうしても。
でも。それでも、時折切なくなることは本当。
「…私の、傍から、いなく、ならないで…」
切実な、その願いに、でも、堂上は安易に頷いたりはしない。
人生、何があるかわからないのだから。
確かに昔よりはるかに危険が少なくなったのは間違いない。
だが、どんな職業でも、どんな生活をしてても、結局のところ、何が起こるかなんて誰にもわからない。
「…俺は、俺が俺である限り、お前がどんなに嫌がっても、お前から、絶対離れない。一生、離さない。…誰にも、渡してやらん。」
だから堂上は郁にそう言うのだ。
だが、郁はそれが嘘だと確信している。
だって、堂上は郁が嫌がったら、絶対に郁の手を離すに違いないのだ。
きっと、郁が切なくなるほどあっけなく。
郁に誰より甘くて、優しくて、誰よりも郁を愛してくれている堂上が、そんな事を是とするわけがないのだから。
ますます切なくなって郁の目にさらに涙が溢れた。
嫌だ。
「…篤さん…。お願い…。…この手を、離さないで」
聞こえるか聞こえないかの微妙な声で呟き、気絶するように眠る郁に堂上はキスを贈ると、きつく抱きしめたままその場を暫く動かなかった。


*****************************

本当はこの後の堂郁の朝の話(ラブラブ)もあったのですが、切なめで終わってみました。

郁ちゃんは危機の時のことも、革命の時のことも、多分すごくトラウマになっちゃうほど怖かったと思うんですよ。
てか、私なら耐えられないし(笑)
・・・私が弱いので登場人物がすごく弱くなるというね・・・。
ああ・・・ごめんなさい。

タイトルが思いつかないので敢えての無題。

2010年6月5日土曜日

嫉妬と甘えと心配と。

※八晴
※付き合い後


図書館戦争 彼、彼女の気苦労、気疲れ。 別冊1(郁+柴崎)


「あんた新隊員にいきなり抱きしめられたんだって?」
「うっ…あ、あれは一生の不覚というか…。」
「いくら熊殺しのあんただって、所詮男の力にはかなわないんだから捕まったら終わりよ?気をつけなさ〜い。」
「熊殺し言うな!…もうそれみんなに何回も言われたわよ。…あぁ…篤さんやっぱり呆れたかな。」
「まあ、良くは思わないでしょうね。うぅ…だよね…。携帯!」
「え?」
「フォローしときなさい。多分教官今腹わた煮えくり返ってるわよ。」
「…そうかなぁ…。」
「あんたわかってないから言っておくけど、あの人結構独占欲強いわよ。小牧教官並みに。」
「えぇ?!嘘!ヤキモチなんて数えられるぐらいしか…!」
「私にまで妬くんだから間違いないわよ。」
「え?!何それ?!いつ!?」
「てか、あんたもそういうの気をつけなさいよ。私がどんなに苦労して害虫駆除してやってると思うのよ。」
「は?害虫?柴崎虫苦手じゃなかったっけ?私虫なら大丈夫だけど?」
キョトンと何もわかっていないだろう眼差しに柴崎は溜息をついた。
…気づけないんじゃ、平気もなにもないでしょ—が…。
柴崎の苦労はまだまだ続く。

******************************

郁ちゃんは何も知らないままでいて欲しい。
堂上さんと柴崎も多分そう思ってる。だから自分達で害虫駆除をします。
どんなにめんどくさくても綺麗なままでいて欲しいんでしょうね。

実際、いくら郁ちゃんでも男の力には敵わないんじゃないかと思うんですけど・・・。
一般人ぐらいなら大丈夫なのかな・・・?

図書館戦争 甘い誘惑 (堂郁)新婚時期


「えっ?!」
いつの間にやら視界が反転していた。
…おかしい。さっきまで、夫と二人で思い出話に花を咲かせていたはずだったのだが。
何が起こったのかわからず、目を瞬かせていると堂上が迫ってきた。
「えっ!?ちょっ!?篤さん!?」
思わず抵抗するが、そこはやはり伊達に戦闘職種に就いている男ではない。
郁の抵抗は何のその、簡単に両手を拘束されてしまう。
くそ。悔しい。こっちだっていつも鍛えてるのに!
悔しい気持ちで一杯だが、堂上にしてみれば、そこは男女差はさながら、夫や上司の面子としても勝っておきたい所である。
まあ、郁のそういった所にもベタ惚れな堂上なので、そんな事は今更ではあるのだが。
「…嫌か…?」
ズルい。
耳元で甘くて低い声にそんな風に聞かれては、答えなどもう決まっている。
加えてダメか?ではなく、嫌か?と聞いてくるのだから始末が悪い。
嫌な筈がないので、結局はいつも堂上の思い通りになってしまうのだ。
これでダメか?と聞かれれば、明日訓練なんだからダメです!と突っぱねる事が出来るのに。
「…篤さんズルい…。…わかってるくせに…。」
目を潤ませ顔を真っ赤にし煽っているとしか思えない表情の郁に、ズルいのはどっちだバカ。と内心思いつつも、確信犯な堂上は何も言えず苦笑し、その誘ってるとしか思えない唇に触れた。

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きっと郁ちゃんが何かすごっく可愛いことを言って堂上さんが我慢できなくなったんだと思われます。

この二人だったら別に新婚の時じゃなくてもこんなんなってそうだ(笑)

図書館戦争 喧嘩するほどなんとやら。 (郁+手塚+α) ※ほぼ会話文



ある日の昼下がり。


「ぎゃぁ—!何すんのよあんた!下ろせ—!放せ—!!」
「ちょ、お前なっ暴れんな!怪我悪化させる気か!落とすぞ!」
「落とせばいいじゃない!私重いんだから!骨折れても知らないわよ?!」
「俺を見くびるな!お前位余裕だ阿呆!」
「何よ〜!ちょ!そんな所触んないでよ!」
「わざとじゃねぇ!お前なんかに欲情しねぇから安心しろ!」
「はぁ?!失礼千万何だけど!篤さんにチクってやる!」
「お、お前なぁ!オフレコだろこれは?!」
「ふ〜んだっ!憧れの堂上一正に小言でも言われればいーんだわ!いい気味!」
「お前な!助けてやってる奴にそういう事言うか普通!」
「何よ?!私を助けるのは篤さんに頼まれてるからなんでしょ?!だったら私は篤さんに感謝すべきであって、あんたにじゃないでしょ?!」
「なんだその屁理屈は!?俺にも感謝ぐらいすべきだろ!」
「じゃ下ろしなさいよ!」
「お前歩けねぇだろうーが!あんまり暴れると落ちるぞ!ただでさえ重いのに!」
「何よ!さっきは余裕だとか言ってたくせに!どーせ私は柴崎と違って重いですぅ。明日ぎっくり腰になったら笑ってやる!」
「なるか!そこまで年いってない!つか柴崎と比べる事が間違ってるだろ!お前何様だ?!」
「あ〜そうですか!ラブラブな事で!柴崎に今のセリフ聞かせてやるんだから!」
「だからお前は何でもかんでもチクるだの何だのって!小学生か!」
「何よ!柴崎はあんたの物になったわけじゃないんだからね!渡さないんだから!」
「お前の物でもないだろ—が!どんな文句だそれは!」
「あんたの物でもないわ!」
ぎゃーぎゃー騒いでいる二人はもはや周りの注目の的である。
「二人共相変わらずだねぇ。」
そんな2人を小牧はのほほんと見守る。
小牧についていた新人隊員は困ったように2人を見て、しかし自分では止められないだろうということを悟って小牧に縋るような視線を投げかけている。
頭はいいが、どうやらまだ特殊部隊になじむには時間がかかりそうだ。
これぐらいのことを笑えるようにならなくては特殊部隊ではやっていけないだろう。
「・・・小牧一正、いいんですか。この騒ぎをそのままで。」
「う〜ん。堂上が知ったら色々面白そうだから、班長には教えてあげようかな。」
柴崎さんはわざわざ教えなくても情報入るだろうしね、といつものように笑って小牧は班長の待つ特殊部隊の事務所に去っていく。
残された新人隊員は途方にくれ、しかしどうしようもないと諦めたのか、小牧の後を追った。


騒ぎを知った堂上の罵声が響き、郁が落ち込むのと手塚が青くなったりするのはあと数分後である。


*************************



郁ちゃんの怪我はそんなに大したことはないんですが、なんたってプチ堂上な手塚君なので
問答無用で運んでます。
多分肩に担ぎ上げてるんじゃないかなぁ・・・。荷物運びのように・・・。


柴崎は堂上が怒鳴って二人が静かになった後でひょこっと出てきます。
んで郁ちゃんを運んだ手塚君をからかって褒めればいい。


時期は別冊1後ぐらいかな~。