2012年5月23日水曜日

うたかたの




※寅撫

※帰還ED 

※短文









「トラ?」

目を開けた時、ああこれは夢だと即座に理解した。

寅之助が沈黙したまま反応がないのを
不思議そうに上目遣いで見上げる姿に眩暈がした。
欲望のままに抱きしめようと手を伸ばすが、
触れてしまえばそれで終わってしまう気がして結局動けない。

彼女を欲するあまり、脳がせめて夢の中だけでもと無意識に求めたのか。
しかしそれは随分自虐的だ。
一瞬で終わる一時など、なんの意味がある。
目が覚めれば夢の中の幸福など現実の前で絶望に変わるのに。

これまで思い出すのを意識的に避けていたが、
彼女の姿形はっきりとしていて、寅之助は自身の記憶力を少し見直した。
もっとも、それと同時にどうしようもない執着に自分で自分が嫌になったが。

「…お嬢。」

久しぶりに口にした愛称に泣きそうになるのを唇を噛んで堪える。

「なあに?どうしたの、トラ。」

震える声と体をどうか彼女が気づかないように祈る。
これは夢なのだからそんなことを気にする必要はない、とは思えなかった。
もう夢の中でしか会えないのだから、せめて会えた時ぐらい格好つけていたい。

「…お嬢。」

触れられないのならば焼き付けようと目を凝らす。
段々と薄れていく意識が最後に認識したのは、
寅之助の望みが通じたのか綺麗な笑顔だった。


†††


目が覚めて、ああ夢は終わったのだと、何処か呆然と天井を見上げる。

どうしてか、身体が動かない。
やらねばならないことは山のようにある。
時間を無駄にするわけにはいかない。
だが、やっぱり身体は脳の命令を拒否する。
――否、これは感情だ。
もう少し、夢の名残に浸りたいという甘えだ。
しかし、思い出そうとした輪郭はぼやけてしまっていてまるで呪いのように苛む。
目白に雫が流れたのが先か、輪郭がぼやけたのが先か、もはやわからなかった。



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久しぶりの更新。
ブログに広告でてんじゃね?!と慌ててストックからUP。


帰還EDの寅の衝撃は忘れられません・・・。
あれはある意味BADEDな気がする・・・。

きっと帰還EDの寅はその後に撫子のことを想うことは少ないんじゃないかなぁ。
向こうの世界の自分自身にすら嫉妬しちゃうので
自分の精神安定上、意図的に思い出すことも避けてそうだなっていう妄想。
寅は多分一番独占力が強い気がするの。
(他メンツもかなりやばいけど)

ああああ・・・CZFDでればいいのに・・・。
まだですか・・・。


うたぷりでびゅーが楽しみすぎる件。
薄桜鬼熱はおさまってきたかな。

八雲にだって愛はあります・・・!
でもネタが降ってこないの・・・。


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