2011年4月11日月曜日

捏造幼馴染設定  高校時代



※八雲と晴香が幼馴染だったら・・・という捏造設定

※八雲は絆の高校で、晴香は女子高校(原作で絆は中学時代だけどさ・・・)

※基本的に絆の八雲ですが、やや柔らかめな性格です(晴香に限る)

※絆のキャラ達も出てきますが、性格気味捏造です

※長文です



以上のことが受け入れられる方のみ、お読みください。







「おい、校門に他校の可愛い女子がいんだけど!」

「はぁ?」

「あの制服、多分T女じゃね?」

「うわ!女子高じゃん!なんでいんだろ?」

「確か隣町の高校だっけ?・・・誰か待ってんじゃねぇの?」


偶然聞こえたそんな声に、柄にもなく急いで校門へ向かった。


「八雲君!」

宝物を見つけたように嬉しそうに微笑む姿に
こちらをチラ見していた数名の男共が
顔を赤くしたり、鼻の下を伸ばしたような顔をした。

まったくもって気に食わない。

「・・・やっぱり君か・・・」

「何よ~その顔!せっかく待ってたのに」

「・・・誰も待ってろなんて言ってない。というか、俺が迎えに行くと言ったろ」

「だって私の高校、女子高だよ?・・・注目浴びるし、ヘタしたら先生に怒られちゃうよ」

「・・・だったら駅前で待ち合わせとか・・・」

「迷子になるから駄目だって言ったのは八雲君じゃない!」

私は大丈夫だって言ったのに!と
ぷんすか怒っている晴香は気づいてないようだが、
俺らだって十分注目を浴びている。
あまり目立ちたくないのに勘弁してほしい。
これで明日うっとうしい輩に絡まれるのは確定だ。

思わず溜息を吐くと、自分が持ち込んだトラブルであることを気にしたのか、
晴香がこちらを伺うように屈んで覗き込んできた。

高校に入ってから二人の身長差は5センチになった。
小学校の時は彼女の方が高かったが、中学でやっと抜かした。
今では彼女はもう身長も伸びなくなり悔しそうにしていたが、
俺はまだまだ伸びているので、きっとそのうちもっと差ができるはずだ。

「・・・なんだよ」

「・・・やっぱり、めんどくさい?」

「めんどくさい。・・・でも俺がやらないからといって、君がどうにかできる問題じゃないだろ」

「・・・そうなんだけど・・・」

しゅん、としている彼女の姿に、周りは俺がいじめたとでも思っているらしい。
あからさまに睨みや責めるような視線が飛んでくる。

「・・・とにかく、行くぞ」

これ以上周りの目にさらされるのはごめんだったので
腕を引きその場を後にした。



◆◆◆



「今日は本当にありがとう。八雲君」

トラブルを片づけ、お礼だというドーナッツを食べつつ世間話をする。
といってもほとんど晴香が1人でしゃべっていただけだが。

「・・・別に。君は放っておくとさらにトラブルを複雑にする天才だからな。早めに言ってきただけいい」

「何よ。そんなことないもん」

「へぇ?この前川に落ちたのはどうしてだったか説明してやろうか」

「・・・いい」

頬を膨らませて怒っている彼女を放っておくことにし、
明日のことを考える。

明日はもういっそサボってしまおうか。
いや、そうなるとさらなる勘ぐりをよびそうだ。

「・・・ねぇ、何かあった?」

俺の心情を読んだかのように、
いつの間に機嫌が直ったのか、彼女は心配そうな目を向けてくる。

「・・・何が?」

「なんか八雲君、イライラしてるみたいだったから」

「・・・君のようにお節介をやく奴がいてうざったいだけだ」

「え?!それって女の人?!」

勢いよく喰いついてくるからこっちも少し驚く。
何もそんなに目を見開いて身を詰めてくるような話題ではないと思うのだが。

「・・・ああ。女教師」

「・・・そっか・・・先生・・・」

どこか安心したようなほっとしたような顔をした後、
しかし次の瞬間には困惑気味に不安そうな顔をする。
ころころ表情を変えてよく疲れないな、と思う。

「・・・ねぇ、ちゃんと授業出てる?」

「・・・君より模試の成績は上だ」

「もう!そんなこと聞いてるんじゃないの!」

やっぱり同じ高校に入ればよかった、とぶつぶつ
1人でゴチている彼女を横目にあくびをする。

彼女は俺から離れるべき存在だと、思っていた。
誰か、普通の男と幸せになるべき人だ。
俺と一緒にいるべきではない。

でも、それをどこか嫌だと思う自分がいることも確かだった。

いつか離れるならいつ離れても同じだ。
離れる準備を、しなくては。

そう思い、教師を目指し大学進学を希望する彼女にとっては
選択肢に入らないだろう高校を選んだ。
大学に行くつもりもなかったのでちょうどいいと思った。
しかし、あのウザい教師とクラスメートがいることを考えると
後悔がこみ上げることもない。まあ、今更か。

彼女の選んだ進学高校が女子高だったことに
少しの安堵を覚えたことは絶対秘密だ。

「・・・この前の怪我、もう大丈夫?」

「・・・大した傷じゃないと言っただろ。ウザい」

「・・・怪我、増えてないよね?」

「・・・」

「八雲君!」

「・・・」

どうして、この幼馴染と会うことを止められないのか。
せっかく高校を別にしても月に5回以上は会っている。
前より会う機会は減ったが、彼女から離れるべき自分が何をしてるのか。

彼女がトラブルと持ち込むから?
――放っておけばいいのに、それができない



「きれい

まだコンタクトをしていなかった年少の頃。
公園で初めて会ったときに
彼女が見惚れたように見つめて呟いた、嘘のない言葉が
今でも忘れられない。

きっと一生忘れないその言葉を抱えて俺は生きていく。

君が、そう言ってくれた、その言葉だけで、俺はもう、十分なんだ。



◆◆◆



~明美side~


「あれ?八雲君?」

某有名ドーナッツ店。
まさかとは思ったが、やっぱりそうだ。
しかも女の子と一緒とは。

何にも興味がないと思っていたが、そんなことはなかったらしい。
思春期の男の子としては健全な生活を送っているようだ。
少し胸が温かくなった。

「・・・」

めんどくさそうにこちらを見たが、何事もなかったかのように
目を逸らした。

確かにデートを担任教師に見られたら気まずいだろう。
声をかけたことを少し後悔する。
しかし、彼の彼女とはどんな子だろうかと好奇心が疼いた。

「・・・八雲君?」

彼女は説明して欲しそうに彼を見るが、
八雲は知らん顔で残りのドーナッツに手をつけている。

見たことない子だ思ったら、どうやら他校の女子生徒のようだ。
大きな目にショートカットが似合う、素直そうな子だ。
少し幼げだが、八雲と同じ年ぐらいだろうか。

「・・・デートのお邪魔しちゃったかな。ごめんね」

「あ、あの・・・?」

「私、八雲君の担任の高岸明美です」

「あ、わ、私T女子高校の小沢晴香です。八雲君が、お世話になってます!」

「・・・俺はお世話になった記憶はない」

「八雲君!」

つんけんしているが、学校にいる時よりは随分柔らかい表情と声音だ。
この少女の効果だろうか。
いったい何者だろう。

「・・・」

年がらもなくぶしつけな視線を送ってしまう。
しかし、少女は気にした様子もなく(というか気づいた様子もなく)
にこにこと笑顔を振りまく。
その無防備な裏のない笑顔に、心がほどけていくような気分になる。
なんとく、この少女に心を開く八雲がわかる気がする。

「・・・おい、いつまで食ってる。・・・いくぞ」

「え?ちょっと待ってよ八雲君!」

八雲は付き合ってられない、とばかりにさっさとトレーを持っていってしまうが、
女の子の前にはまだ一口も手をつけていないドーナッツがそのまま残っている。

「・・・よかったら、一緒にいい?」

こんなチャンスはもう二度とないと、明美はナンパ男のように食いついた。




「幼馴染なんだ?!」

「はい。幼稚園ぐらいの時からずっと一緒なんです」

「そう・・・」

「あの、・・・八雲君、学校でどうですか?」

「え?」

「この前、明らかに喧嘩した時にできたような怪我をしてたんです。・・・それに中学校の時も、その、色々あったし・・・」

心配そうに顔をゆがめる彼女は、本当に八雲が大切なのだろう。
泣きそうな顔をしている彼女に、本当のことを言えずにいると
事情を察したのか口を開く。

「・・・八雲君、本当はとても優しくて、頼りになって面倒見のいい人なんです。でも、無愛想で素直じゃないから誤解されやすくて・・・」

「・・・うん」

「私のことだって、めんどくさそうにしててもいつも必ず助けてくれるし、なんだかんだいって、他人のことも放っておけない人なんです。・・・でも、不器用だし皮肉屋だから、上手く相手には伝わらないんですけど・・・」

「何を好き勝手言ってるんだ君は。いったい何様だ?」

彼の意外な一面を、今日だけで一体何度見ただろう。

他人と一線を置き、自分からは絶対に関わろうとしない八雲が、
わざわざ戻ってきて迎えに来たのだ。
それはこの少女だからこそなのかはわからないが。

少女が語った、八雲には自覚がないに違いない彼の本当の姿。
きっと、それはこの少女だけが見てきた姿なのだろう。

突然の八雲の再登場に驚きを隠せずにいる明美を無視し、
八雲は眉間にしわを寄せつつも、彼女の荷物を持って連れ出そうとする。

迎えに来ただけでも驚きだったが、随分紳士な行動にもびっくりだ。
その乱暴さはともかく。

「や、八雲君!待ってよ、先生が・・・」

「別にいい。ほっとけ。それより暗くなる前にさっさと帰るぞ。・・・それとも君一人で帰れるのか?」

「な、何よ!いつも子供扱いするんだから!」

「・・・そういうことは迷子にならなくなってから言え」

「あ、あの時は、その、暗くてよくわからなかっただけだもん!」

「・・・だから暗くなる前に帰るぞ、と言っただろ」

「うぅ~」

「ウザい。その気持ち悪い顔を止めろ。・・・ほらさっさと歩け」

痴話喧嘩にしか見えない二人は私の存在を置いてきぼりにして去っていく。
かろうじて少女が申し訳なさそうな視線を送り、頭を下げたのがわかった。

すべて目の前で起こったことなのに、なんだか信じられずに
明美はまだ店内で呆けていた。

あんなにしゃべった八雲を見たのは初めてだ。
きっと、クラスの誰1人として
彼とあんな風な会話を成り立たせることはできないだろう。

確かに面倒見もよく、頼りになる様子も伝わってきた。

今まで彼は少なくとも学校で感情をあらわにしたことはなかった。
彼女といるだけでこんなにも違うのか、
と彼女の偉大さを痛感する。

彼女がいつも八雲の傍にいててくれればいい。
そう思わずにいられない。

彼が、普通の人間らしい、青年らしい表情を
もっとたくさんできるように。

年相応の彼の様子を思い出して、明日の学校が楽しみになる。

きっと、明日も彼は学校に来るに違いないのだから。


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八雲の一人称が俺でとても新鮮v
しかし、結構間違えて直したりも・・・(苦笑)
八雲君は僕のがあうと思うのは慣れてるからなのかな?
八雲君を子供っぽく生意気に書くのにとても苦戦しました・・・。


この設定楽しい♪
大学生時代も書きたいwww

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