2012年1月27日金曜日

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※柴郁?

※時期は捏造。







『笠原と俺、どっちが大事?』




そんな質問を受けたら柴崎の行動は決まっている。

笠原、と即答で答えて—語尾にはハートマーク付きだ—次の瞬間には別れ話。

男側の反応は呆然としたり悟っていたように受け入れたり様々だが
大抵大慌てで謝って今のナシ、と告げることが多い。

しかし、柴崎は笑ってそのまま頑として許否する。

当の本人、笠原はそんな柴崎の別れ事情などかけらも知らないが。

もしも知ったら私は百合じゃないと嫌がるだろうか、
それともそんなことで別れるなと怒るだろうか、
—私のせいだと悲しむだろうか。

まあ怒るあたりが妥当だろう、と検討をつける。

もっとも、そんなことを笠原に告げるとつもりはなかったので
こんな予想は意味のないものだろうと思っていた。

だが。



「ねえ、柴崎。また別れたって本当?」

いつもどおりの別れ文句で別れて3日後。

笠原は恐る恐るといったように尋ねてきた。

また、とつくのは柴崎がたいてい半年以内、もって1年しか付き合いが続かないからだった。
柴崎は少しの動揺を息をするのと同様に簡単に隠してさらりと肯定する。

「本当よ。・・・あんた、どっからしいれたの?」

鈍いこの純粋培養は普通柴崎が飲みに誘って暴露するか、
共通の友人が柴崎の様子を察してそれとなく笠原に告げ口するかしなければ
柴崎の交際関係の変化などは気づかない。
今回の場合、柴崎が飲みには誘っていないため、後者だろう。
別に責めているつもりはなかったのだが、
笠原はバツが悪そうに表情をゆがめると謝罪とともに答えた。

「ごめん。・・・その、当人から。」


―そういえば、笠原とも少なからず親交がある男だった、
と今更ながら思い出してふうん、と気のない返事をする。

別に柴崎にとってはもはやどうでもいい男の話だった。
笠原は柴崎のそんな様子にどこか安堵したように息を吐き、はにかんだ。


「えへへ。お前のせいだって愚痴られちゃったんだけどね。・・・でも、うれしかったんだ」


そしてまたごめん、と謝った笠原は本当に珍しく柴崎に抱きついた。
一瞬酔っているのか、と思ったが、そうではないらしい。

こんなところ、堂上に見られたら嫉妬されそうだ、と苦笑する。

察するに、男が別れの原因であるところの笠原を責めに行ったらしい。
ずいぶん器量のない男だ、と思わないでもなかったが、
笠原が気にしていないどころかやけにうれしそうなのでまあいいかと流す。
もしこれで笠原がへこんでいたりした場合には裏で体裁を加えるところだ。

そして今まで考えていたどの行動にも当てはまらない笠原の様子に柴崎は笑った。

—あぁ本当に、つくづく人の予想の斜め上をいってくれる。


「ねぇ。笠原。…大好きよ。」


きっと自分がこんなにも素直に好意を認めるのはこの子だけだろうと思いつつ、
柴崎は換金出来ないほどの美しく輝かしい笑顔を無意識に浮かべていた。



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私得すぎる需要のない話でごめんなさい・・・。
 
私的に理想の関係の柴崎+郁です。
 
柴崎は想いの強さは自分>>>>>>>郁だと思ってるけど、
郁だって柴崎が大好きなんだよっていう私の妄想。
 
別冊1時点ではまだ手塚よりも郁のが大事だったんじゃないかな、と信じてる。
まあ、個人的願望としては結婚後も郁のが大事だと萌えるw
 
ハニートラップができちゃう柴崎はそんな自分も悲しいけど、
それを郁に知られてしまってどう思われるかが一番怖かったっていうのが
とてもたまらない。
 
今ではもう堂郁妄想は浮かばないけど柴郁なら降ってくるってどういうこと。
 
ララ本誌で柴崎の1番の友達は私だもん!って言ってる郁がかわいすぎた。
ああいう気持ちわかるわ~ww
多分本家にはないよね??ありがとうございます!弓先生!!



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