2012年1月30日月曜日

閻金 生贄パロ  予告風味。


生贄パロ設定


※金蝉子人間

※金蝉子=玄奘

※閻魔=悟空

※閻魔と楊漸と大聖が仲良い

※本編+FDネタバレあるかも

※金蝉子愛され


たぶん続かないけど、予告風味。
自己満足でごめんなさい・・・。


※時間系列めちゃめちゃ・・・。




<捏造中2設定>

真名・・・本当の名前。冥界では呼んだ者に呼ばれた者を絶対服従にできる。
自分が心を許したもののみに教える。教えられ許された者以外は呼ぶことはできない。


<登場人物>

閻魔〔悟空〕…冥界を統べる統治者。頭が切れ臣からの信頼も厚いが、実は少しめんどくさがり。だが、放置すると更に面倒なことになるのを理解しているので渋々やることはやっている。隠れて時々サボったりする。牛魔とはライバルというか同志。楊漸とは界を超えた親友というかふざけ仲間。冥界最強。金蝉のみ真名を教える。
「…面白い奴だ。」

玄奘〔金蝉〕…人間界から三蔵法師として冥界へと捧げられた犧。幼少の頃に和尚に拾われ育てられたが故に和尚が世界の中心。真面目な性格。真名は金蝉だが、閻魔の独占欲により他の者には金蝉子だと思われてそう呼ばれる。
「…貴方は…誰ですか?」

二郎真君〔楊漸〕…天界の偉い仙人様。実は次期玉帝。その権限で界を行き来できる。金蝉の真名に気づいてるけど、面白がって誰にも言わずにいる。変人だけど閻魔並に強い人。仕事サボりまくり。人おちょくるのが大好き。時々大聖や木叉も冥界に連れてくる。閻魔をからかうために金蝉にかまうが、そのうち惹かれていく。大聖・閻魔・金蝉・木叉のみ真名を教える。
「…君は、愛とは何かを、知っているかい?」

斉天大聖〔大聖〕…真君とは親友で幼なじみ。閻魔とは悪ガキ仲間。天界最強の武力を誇る。細かいことは気にしない質。気さくで明るい性格だが、現玉帝のおぼえめでたい立派な軍人。金蝉のことは一目ぼれ的に好き。基本的にみんなに真名を教えている。
「俺、お前の笑った顔見てみてぇな。」

蘭花〔蘇芳〕…元人間。金蝉と同じく人間界から連れて来られた犧だが、冥界に馴染みいつしか冥界を愛するようになった為、閻魔に頼み妖怪になった。同じ人間の贄ということで金蝉に親しみを抱く。
「…あれ、君、お仲間?」

金閣〔金〕…金蝉の世話をする妖怪。金蝉の絶対的味方。前は蘇芳の面倒もみてた。
「玄奘様っ!」

和尚〔釈迦如来〕…金蝉の育て親。実は人間じゃなく人間界の神。自分がいない時に金蝉が冥界に攫れたのを口惜しく思っているが、基本的に天界・冥界に干渉出来ない為手出し出来ない。金蝉を愛し慈しんでいる。
「…金蝉…この箱庭の中で暮らすがよい…。」

牛魔王〔牛魔〕…冥界トップ2の実力者。唯一認めていた閻魔が好色に堕ちた原因であるとして金蝉のことがあまり好きではない。

紅孩児…金蝉に興味を持ってる。ファザコン。紅茶好きな変人。KYだけど時と場は心得てる真君とは違うベクトルで困る迷惑な人。冥界の中でも指折りの強さ。

木叉…楊漸の部下。楊漸の世話をしたり、仕事を押し付けられたりする苦労人。
「楊漸様…仕事をしてください。」

観世菩薩〔観音〕…釈迦如来を人間界に閉じ込めた張本人。金蝉のことは嫌いだが、気になる存在として見ている。

倦廉〔悟浄〕…元仙人。天蓬のとばっちりで冥界に飛ばされた苦労人。しかしなんだかんだと面倒見が良いので仲が良い。木叉とは意見が合いそうだが、天界での交流はなかった。真面目で堅物故金蝉ともウマが合う。
「…貴女は、優しい人だ。」

天蓬〔八戒〕…元仙人。閻魔との賭けに負けて冥界堕ちした珍人。女・酒が大好きな自由人。ちゃらんぽらんに見えるが軍事センスは抜群。本当は周りをよく見ている常識人。服のセンスは奇抜。真面目過ぎる倦廉を諌め空気を軽くしたりしていいコンビ。
「…姫さん、あいつをよろしくな。」



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「…お前の目に映るのは、俺だけならば良いと思う。」
「…悟、空…。」
「もっとも、無理なことも十分承知しているがな。…閉じ込めている筈の今ですら、こうなのだからな。」
「…。」
「…金蝉。」
「はい。」
「…私に、こうされるのは嫌か。」
「…いいえ。…嫌、ではありません。」
「…そうか。」
「…ただ、…その…。」
「…なんだ?」
「…落ち着かないだけ…です。」
「そうか。」
「…はい。」

こんなことを聞いてどうしようというのか。
嫌だ言われたところで離す気はないくせに。
自分の愚かさを笑いたくなるが、金蝉が真面目な顔をしているので、その衝動を殺した。

「…しかしやや硬いな。」
「…慣れて、いないからです。」
「…それは、誘っているように聞こえるぞ、金蝉。」
「…えっ、あ、あの、そういうことでは…。」
「…わかっている。」

クッ、と笑みを漏らすと少しホッとしたような、笑われて怒っているのか
あるいは恥ずかしいのか、赤い顔が見える。

「〜っ。」
「…そう怒るな。」

ぽんぽんと背中を撫でると、子供扱いされたと思ったのかますます頑なになった。

本当に、変わった。――本当に、色んな表情を見せるようになった。
初めは怯えと恐怖に彩られた硬い笑み。
それが驚きや困惑を見せ、次に怒りと悲しみを、
そして最近は時々だが照れや嬉しそうな笑みを浮かべるようになった。

人間とは面白い。こうまで様々に変わる様子は見ていて飽きない。
閻魔は無自覚に浮かべている笑みを深くした。


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「…見るな。…見て楽しいものではない。」
「悟空。」
「お前が傷付けたくないと言うのなら、その業を背負うのは俺の役目だ。」
「…貴方は…何故そう…!」

周りがほっておかないのもわかる気がする。冥界最高権力者がこうでは確かに大変だ。



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「…時々、貴方は和尚様のようなことを言いますね。」
「…。」
「…安心、します。」
「そうか。」


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「…誰が、玄奘の外出を許可した?」

「も、申し訳ありません!閻魔王様!」

「…今は、謝罪を求めているわけではない。…報告も上がらないとは何事だ?」

「…そ、それは…、申し訳ありません。…申し上げられません。」

「…貴様、自分の立場がわかっているのか?」

「…しょ、承知しております。…しかし、これは…玄奘様が、望まれたことです。私は、玄奘様にお遣えする侍女として、主の希望を叶える義務がございます。…閻魔王様と言えど、申し上げるわけにはまいりません。」

「…なるほど。…だが。…玄奘は私のものだ。…私の所有である以上、私の傍を離れ、勝手をすることは許さん。」

「…閻魔王、様…。」

「…まずは

「…悟空。…金閣を、許してください。…お願いします…。私が悪いのです。金閣は少しも悪くありません。」
「…玄奘様…。」

目に怯えが消えたわけではない。
恐ろしいだろうに、それでも毅然と訴えるその強さは、魂が持つものなのだろう。
憧れや尊敬を抱かせるそれは、きっと閻魔を引き付ける金蝉の魅力の一つだ。

「…その名は二人の時に呼べと言わなかったか。」

「ですが、お願いする時にも呼べとおっしゃいました。…どちらを優先するべきなのですか?」

真っ直ぐ見つめてくるその無防備で純粋な瞳に何もかも気を削された。

「…お前が、呼びたい方を優先すれば良い。」

「…はい。」

ため息を吐きながらそう言うと、女は不思議そうに瞬き頷いた。

「…いいだろう。…だが、その分の咎はお前が請え。」

「…はい。」



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「…勝手に傷をつくるな。」

「も、申し訳ありません…。」

「…その身は私のものだ。…私以外が傷をつけるのも、愛でることも許さん。」


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来たばかりの頃は閻魔の行動一つ見逃さない、
とばかりに緊張していたその女は、今大人しく閻魔に従う。
尤も柔順なのは最初からだが、その雰囲気が明らかに違う。
恐怖や諦めではない。自分の意志だ。

少なからず怯えは見られるが、自分は閻魔王なのだから当然のことだと思われる。
むしろ、そうでなければならないのだろう。
冥界の王として人間にナメられるようでは問題だ。
それに対し、少し思うことがないわけではないが。

「…金蝉。」

「はい?」

「…私が怖いか。」

「…。」

「正直に言って構わん。」

「…前は…とても恐ろしかったですけど、…今は…少し、だけ…です。…貴方が、私だけは害さないことは、わかりましたから。」

「…そうか。」

「…はい。」


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「真名を教えたのか。」

自分にすら教えなかった、その呪を。

「…何か問題があるか?」

開き直った、しかしいつもと変わらない閻魔の態度に牛魔は呆れに似た諦めを感じた。

「愚かな…。人間の女などに…。…堕ちたな閻魔。所詮お前はその程度か。」


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「…玄奘と、申します。」

けして望まぬ道だろうにそれでもなんとか笑みを見せる女を、
同情や哀れみではない感情が男を襲う。
今まで感じたことがないこの気持ちをなんと呼ぶのか、彼は知らない。


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「金閣と申します。なんでもお申しつけください玄奘様。」

「…真名はその者を縛る呪です。…その名を軽々しく呼んではいけません。他に知られれば、利用されます。…閻魔王様の地位が脅かされることは、貴女の為にはなりません。」

玄奘はこの世界で、閻魔王の保護なしでは生きてはいけないのだから。




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