※後藤視点(?)
※キャラ壊れ気味
※未来八晴社会人恋人設定
※つまりは捏造設定
事件に煮詰まり、いつもの如く八雲を訪ねていた後藤は、唐突に叫んだ。
「お前は俺と仕事どっちが大切なんだ!?」
叫んだ後藤は、しかしこの後返ってくるだろうセリフに備え、次のセリフも用意していた。
だが、残念ながらその用意は無駄になってしまうのである。
八雲の一言によって。
「晴香。」
即答だった。
てっきり、『なんでそんな気持ち悪いセリフを後藤さんに言われなきゃいけないんですか。』
などという皮肉が返ってくるのだと思っていた。
あるいは、『仕事。』
という一言が。
そしたらじゃあ、晴香ちゃんと仕事はどうなんだ、とからかうつもりだったのだ。
が。
実際は、別になんの変化もせずに書類を見たまま選択肢にない答えを吐いた八雲。
(おいおいおい。)
確かに自分は晴香によって八雲が人間性豊かになるように望んでいた。
そう。顔を赤くして取り乱して動揺する八雲が見たかった。
散々からかわれたのだからお返ししたかった。
だが、実際はどうだ。
呼吸するように簡単だ、と言わんばかりの素っ気なさだ。
いったいコイツはどうしてこうも可愛くないんだ…と唸っていたところで、
晴香が八雲に嬉しそうに抱きついた。
「八雲君!」
ハートマークが付かんばかりの声音だ。多分石井が見たら崩れ落ちるに違いない。
想像して同情の気持ちでいっぱいになる。
(…哀れ石井。)
八雲の様子を見てみると、やはり変わらない様子で、
はいはい、なんていいながら書類に目を通している。
…晴香が回した腕に自分も右手を重ねながら。
よく見ると、いつもより表情が柔らかい気がしないでもない。
…なんだかんだ言って、コイツも幸せになったんだなぁと感慨深く内心ニヤケながら思っていると
八雲に目配りされた。
(なんだなんだ?)
しかしそんなんで後藤に伝わる筈がない。
まったく空気を読めない後藤に、今度は八雲は舌打ちしそうな顔で睨んだ。
顔には帰れ、と書いてある。
もしかしてニヤケ面が顔に出たか。しかし、だったらなぜ口で言わないのか。
不思議に思っていた後藤に、とうとう八雲はしびれを切らしたらしい。
(・・・忍耐力のない奴だ。)
八雲は眉間に皺を寄せ、後藤に帰るように皮肉った。
「おい。まだ話は…。」
「明日にしてください。今日はもう終わりです。急に用事を思い出しました。」
「待て!ちょっと話を…。」
「聞こえなかったんですか。僕は帰れと言ったんです。まったくこれだから老人は。」
「誰が老人だぁ!?」
「後藤さんが帰ってくれたら取り消します。・・・いいですか。出口はそこです。」
「んなことわかってらぁ!」
「忘れたのかと思いましたよ。」
「んなわけあるかぁ!ったくしょうがねぇなぁ!わかったわかった!帰るぜ!帰ればいいんだろ!寂しくなっても知らねえからかな!」
吐き捨ててドアを閉める直前、『コイツさえ一人いればいいです。』とのろけか本心か八雲が呟いた。
バタンと大きな音を立て閉まったドアの前で、後藤はまた固まった。
(…もしかして、晴香ちゃんと二人きりになりたかったのか。)
…なんて迷惑でわかりづらい甘えだろう。まったく可愛くない。
そんなことを心の中で呟きながら、それでもやっぱり後藤の顔
はニヤケていて、もし八雲が見ていたら睨んだだろう。
だが、その八雲はもうきっと最愛の恋人しか目には入っていないはず。
(一心が見たらなんて言うだろうな。)
もう叶わないことを思って後藤はらしくない、と苦笑した。
「・・・よしっ!行くかっ!」
(明日は昼過ぎに来てやるか。)
せめてもの後藤の心遣い。
きっと八雲にも晴香にも伝わらないだろう。
そして『遅いですよ、話があったんじゃないんですか』
と八雲に皮肉られるのだ。
しかしそんな後藤の思いも虚しく、事件が急変し、
結局は朝一で八雲と晴香の同居部屋に乗り込む事になるのだが。
そんなことはまだ誰も知らない出来事なのであった。
次の日の朝、朝の蜜事を邪魔され不機嫌な八雲と恥ずかしそうに顔を真っ赤にした晴香、気まずそうな後藤、今にも卒倒しそうな石井がいたらしい。
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なんだか1人称だったり3人称だったりと
微妙な文ですね・・・(汗)
・・・直す気はさらさらないですが←
設定的には、八雲が働くようになってからも後藤が事件の相談を八晴の同居部屋にしに来てて、
『僕だって社会人なんですよ。仕事は別にあるんです。厄介ごとを持ち込まないで、後藤さんもいい加減自分で事件ぐらい解決してください。僕は忙しいんですよ。』という文句やらなにやらに耐えれなくなった時。のイメージです。
・・・想像力って大事です。(笑)