おひさしぶりです・・・。
まさか去年の12月以降投稿してなかったとは思わなかった・・・。
贅沢の2次やってるのなんて私だけなんじゃないかな、と思いつつ、久々に更新。
この脇役カップルはめちゃくちゃ美味しいので、早く本編でくっつけばいいのに、と呪い()を込めてUPです。
「あれは人に頼ることを知らぬ娘だから、
家来に言いつけた言葉は巡り巡って鳴鳴の知るところとなったらしい。
袖を引いてありがとうございます、ともごもご言う素直じゃない姿がどこか愛らしい。
そう思ってしまう自分が恥ずかしく、誤魔化すようにその腕を引いて懐に収めると、理央の行動に驚いたように身を固くしていた少女は、おずおずと背に手をまわしてきた。
まだ警戒が残っているのか、静かに息をつめている少女の腰をさらに引き、その肩に額を乗せて息を吐くと、背に回った手にさらに力が籠ったのがわかった。
それ以上のこともしているというのに、いつまでもこういったことに不慣れな奥方に気付かれないように苦笑する。
それと同時に、この瞬間に安らぎを感じてる自分を疑問に思う。
この小さなぬくもりに安堵している自分が自分で信じられない。
けれどもそんな自分も嫌いではないのが始末に悪い。
いつの間にか手放せなくなってしまったのだから、しょうがないではないか、と開き直ることしかできない。
―――ただの同情が、愛情に変わったのはいつからだろうか。
あのちんちくりんの娘など、皇帝陛下の権力を軽んじて図々しいほど甘えているというのに、その侍女と言えば極端なことに、こちらを頼ろうともしなかった。
そしてこちらから口沿えれば、見返りは何かと緊張した面持ちで尋ねてきた。
不憫な娘だと思った。
生まれの境遇からか、
性別を意識することもないほど小さく頼りない体。
自分の腕一本で抱えても重さを感じぬほど華奢なのに、それでも
柔らかな感触と甘やかな香りを感じて思わずしかめっ面になる。
いきなりの男の行動に顔を赤くして慌てる少女の耳もとで、理央は一言愛の言葉を囁いた。
無意識に飛び出た言葉は彼女には伝わらなかったらしく、再びその意味を問われた。
誤魔化すことは簡単だろうと思われたが、ここで一度でもすれ違えば、もう二度とその道が開けることはないだろうと、逃げることを許さぬ真っ直ぐな瞳が、そう予感させた。
そして、深い深い深呼吸を繰り返し覚悟を決めて理央は口を開いた。
まるで鳩に豆鉄砲を食らったような顔だった。
結局その時に明確な返事はもらえず保留になったことが、理央の心に少し不満として残った。
出会ったときは思いもしなかったのに、どうやら自分は相当この娘に弱いらしい、と気づいた時には後の祭りだ。
己の主君をバカにできないほど嫁バカになるつもりはないが、
自覚のないうちになっていそうで怖い。
あれやこれや自分の母の手伝いもあって外堀が埋まり、なんだかんだと彼女を手に入れて、ほっとしたというのに、まだまだ自分はこれからも振り回されるらしい、と自嘲の溜息をつく。
しかし、それを幸せだと感じる自分も本当で、どうかこの腕の中の存在もそうであればいいと切に願った。
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タイトルつけるセンスがないので、誤魔化しておく。
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