2011年3月6日日曜日

卒業をむかえるまでの。

※学園パロ
※土千
※デレ方さん・・・?


日差しは温かいが、まだまだ吹く風は冷たく、
朝晩も油断できない寒さの中、卒業式をむかえた。

といっても、土方は担任を持っていないし、
教科の担当した学年でもないので何の感慨もわかない。
しいていえば、あのこざかしい迷惑な悪戯をする総司がいなくなり、
問題児が減る安堵ぐらいだろうか。
もっとも、優秀で頼りになる斎藤まで卒業してしまうので
プラマイゼロな気がしないでもないのだが。

そもそも、土方が待っているのは今年の卒業式ではない。

「・・・っ・・・」

先ほどまでボロ泣きだった千鶴もようやく落ち着いてきたらしい。
傍で髪を撫でていた土方は、千鶴に気づかれないようにふぅっと溜息を吐いた。

「落ち着いたか?」

「はい・・・。すみません、ご迷惑をおかけして」

「ばーか。これぐらいで迷惑なんて思うかよ。むしろ、お前はもっと俺に迷惑をかけろ。手のかからない女ってのも結構男としては寂しいもんなんだぞ」

「ふふふ・・・。では、手のかかった沖田先輩がいなくなって寂しいですか?」

「馬鹿言え」

「・・・あと、一年ですね」

「ああ」

土方と千鶴は実は婚約している。
身近な者しかその事実は知らないが、卒業と同時に結婚する約束だ。
待ち遠しく思っているのはお互い様だった。
否、むしろその気持ちは土方の方が強いだろう。

不意に、突風が吹いた。

「きゃっ・・・」

土方は髪とスカートを押さえた千鶴の腰を庇うように抱き寄せる。

「あ、ありがとうございます・・・」

少し照れながら、はにかむように笑うその姿に、
どうしようもなく欲情した。

まだ潤んだままの瞳。
赤く染まった頬。
遠慮がちにワイシャツを掴む手。


「あ~・・・。ホント、お前早く卒業しろ・・・」

まいったな、と髪をかき上げながら呟くと
無自覚で鈍い愛しい彼女は、泣きそうな声をだしながら身体を震わせた。

「そ、それは、私と、毎日は会いたくないっていう、そういうことですか・・・!!」

今にも逃げ出しそうな瞳は、それでも答えを聞くまでは堪えているらしかった。
さらに潤み始めた瞳にまた煽られる。

そんな自分を悪趣味だと思わないでもないが、欲望に忠実な自分は嫌いではない。

捨てられた子犬のように不安そうな千鶴。
いつもいつも千鶴の傍にいると、自分の理性の限界をひしひしと感じる。

「馬鹿か!んなわけねーだろうが!!」

結局、今回も自分では強固だと思っていた理性は負けてしまって
そのか細い華奢な身体を強く強く抱きしめた。

「せ、先生・・・?んっ・・・」

さっき千鶴が『あと1年』と言ったのは
学校で会える‐‐‐平日も一緒にいられる‐‐‐期間のことだったのだろう。
こっちとしてはとっとと教師と生徒という関係を壊して
早く結婚したい気持ちが強いのにそれは俺だけか、と僻みたくなる。
というか、結婚すればいずれと同じ家に住むのだし平日だって会えるではないか。
確かに日中は離れてしまうが、今よりも二人っきりの時間は確保できるはずだ。

どうやら感傷的になってそこまで頭が回ってないらしい千鶴に内心苦笑した。

焦がれているのはいったいどちらだろうか。
「・・・わかれよ」

思いが溢れかえってか、土方の欲望はさらに募る。
ここが学校だということは知っている。
誰に見られてもおかしくない中庭であるとも。

でも、こんなに可愛らしい生き物に触れることができない世界なんて考えられない。
そんな世界なんてクソ喰らえだ。

誰に何と言われようと、この女は自分のもんで。
そして自分もこの女のものなのだから。

自分の所有物に、好きな時に触って何が悪い。

開き直った土方は、千鶴が骨抜きになってその場に立てなくなっても、
貪るような口付けを止めることはなかった。


***************************


謀らずとも、今の時期に沿ってますねwww
(バレンタインスルーしたくせにwww)

泣きそうな千鶴ちゃんが書きたかっただけですwww

土方さんは絶対手が早いと思うんだ←

0 件のコメント:

コメントを投稿