2011年11月30日水曜日

ヒギリ。


ヒギリ。
花言葉:幸せになりなさい。



※八晴だけど八雲+後藤で晴香はほとんど出番なし


※未来捏造(晴香妊娠期間)





これは、晴香が妊娠した、という報告を聞いてだいぶ経ち、
最近は様子をみてなかったな、と後藤が顔を出したある日のできごと。


「邪魔してるぜ」

「・・・そう思うなら早く帰ってください」

仕事だったのか、後藤が訪れた時にはいなかった八雲が帰って来た。

「あ、おかえり八雲君。お茶飲む?」

にこにことお茶を運んでくる晴香のお腹は大きく、
前見た時よりも赤ん坊が成長していることがうかがえ、
なんだか孫を見るような気持ちになってついつい頬がゆるんでしまう。
そんな顔をするたびに気持ち悪いです、と心底嫌そうな顔を八雲に向けられる後藤は
慌てて表情をつくろうが、今はその必要はなかったらしい。

「この馬鹿っ!じっとしていろと言っただろ!」

いつもの冷静さはどこにいったのか、晴香のことに精一杯な八雲である。

「…おい、八雲。そんなに怒らんでも…」

「後藤さんは黙っててください!だいたい、こいつの場合はじっとしていたってトラブルをひっぱてくるやつなんです。動いてたらどうなるかわかったものじゃありません!」

晴香が妊娠してから八雲はますます過保護になった。
元々晴香にだけへは心配性だったが、
結婚してその気持ちは大きくなり、今ではさらに増大している。

晴香があれにウザがらないのが後藤にとっては不思議でならなかった。

一度、八雲がいない時にそうたずねてみたことがるのだが、
晴香は笑って首を振るばかりで、嫌がる様子はなかった。
まあ、本人たちがいいならいいか、と最近は悟ってきている。
しかし、妊婦にだってそこそこ運動は必要だし、晴香が許容していても、
やっぱり周りからだってなんらかの助言は必要だろう、とついつい口を出してしまう。
そのたびに八雲ににらまれるのだが、そんなことに慣れている後藤には関係がない。
(自分で言ってて悲しくなったなんて、そんなことは・・・ない)

結局ソファーにじっと座っていろ!との八雲の命令により、
晴香はソファーに腰をかけてお腹を撫でている。
そんな姿が母性愛に満ちていて、思わず目を背けたいような、恥ずかしい気持ちになる。

後藤がそわそわとしている横で晴香の代わりにお茶をいれていた八雲は
晴香のそんな様子に目を細めて毛布をかける。

「・・・眠いなら、寝ろ」

ぶっきらぼうな言葉ながら、愛情が伝わってくる態度に
こいつも父親になるんだなあ、としみじみ感じる。

うとうとと眠りに落ちていった晴香をほっとしたように見つめる八雲の横顔が新鮮だった。
後藤の気持ちをよんだのか、あるいは自分の行動を見られたことが恥ずかしかったのか、
八雲は顔を赤くして後藤をにらんだ。

「なんですか。その顔は」

「いやぁ、まさか八雲にこんなおいしいお茶をいれてもらえる日がくるとはなぁ、と思ってよ」

塩酸やらアンモニアやらが入っていそうなお茶はまだしも、
八雲自ら後藤にお茶をいれるなど、後藤にとっては信じられない僥倖だ。

あの、八雲が。

母親に殺されそうになっていた所を助けたことから始まった関係。
何度もあの行動は本当に正しかったのか、と自問を繰り返して。
結局、俺が助けたかったんだからそれでいいだろ!という自分勝手な答えに甘んじていた。

晴香との出会いや結婚の時にも、何度だって感じてきたが、
あの行動はきっと正しかったのだろう、と今ならばやっと笑って言える。

本当にあの時八雲出会えていて、良かった。

そんな気分に浸っていると、八雲が口を開いた。

「まあ、後藤さんにはそこそこお世話になりましたしね。・・・感謝しないでもないです」

なんて、ひねくれていて、八雲らしい感謝の言葉。

本当、人生何が起こるかわからないものだ。
あの死んだような眼をしていた冷たい少年が。

「・・・おい、まさかお茶一杯で感謝をすます気か?!」

気恥かしい気持ちを茶化すように言うと、八雲にそれにノってきたようだ。

「十分でしょう。後藤さんも言っていた通り、僕のお茶は貴重ですよ」

晴香にはどうせ何杯も飲ませているだろうに、ひょうひょうと告げる。

「それに、僕だって後藤さんにはいろいろ貸しがありますし」

「うっ・・・」

それを言われると弱いため、言葉に詰まる。

後藤のそんな様子に勝ち誇ったような笑みを浮かべ、
八雲はお茶に口をつけた。

なんだか心の奥から何とも言えない温かな感情が溢れてきて我慢ならなかった後藤は
八雲の背を力いっぱいはたいた。
突然の後藤の行動にむせる八雲にはけして口にださない、祝福をのせて。


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すみません・・・。シュミに走りました・・・。
過保護な八雲君が書きたかっただけだと思われます・・・。
途中で私の中で何かが起きて話が脱線しましたが・・・。
ひざびさ八雲君更新がこんなんですみません・・・。

てか最近スランプすぎてネタはあるのに書けない自分がもどかしい・・・。
書いても書いても長くなるだけで文章がおかしいんですよ・・・。
何度直しても文法も視点も違くなってしまう・・・。
こういうときってどうすればいいのでしょうか・・・。

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