2011年7月27日水曜日

大義名分。


※風千

※激短文






愛してるから嫉妬するという大義名分で風間は千鶴を離さない。



しかし、その言葉が真実ではないことを千鶴は知っている。


天霧に言っても千鶴の言い分など聞いてはくれないし、

不知火に言ったところで笑い飛ばされるだろうから絶対言わないが。


だから、千鶴は知らない。



鈍い千鶴に風間が苦い顔をしていることも、
天霧がため息をついていても、

不知火が風間の八つ当たりを受けていることも、

千鶴にあらぬ視線を投げる男共の存在も、

それ故に風間の機嫌が悪く屋敷の温度が低くなっていることも、何も。

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